ヴェルト・マギーア ソフィアと魔道と剣戟の勝利者

​そんな考えが頭を過った時、僕の体を一つの闇の力が貫いた。

​一瞬、何が起こったのか分からず、僕は貫かれた箇所を見下ろし、そこから徐々に銀色の血が装束を染め上げていく光景を目にして瞳を大きくした。

​僕の白銀の瞳でさえ、その一撃を完全に捉えることはできなかった。光の結界で若者たちを覆い、僕の集中力が僅かに逸れた、その一瞬の隙を突かれたのだ。

​僕の装束は鋭利な刃物で引き裂かれたように破れ、天界の血――銀色の輝きを帯びた、濃密な魔力を持つ血液が闇の広間に飛び散った。

​「っ……!!」

​僕の体は貫通の衝撃で制御を失い、岩盤へと激しく叩きつけられた。全身に悪魔の魔力が濁流のように流れ込み、僕の光の魔力回路を焼き切ろうと激しく暴れ回る。

​銀剣を握りしめていた僕の手から剣が滑り落ち、カーンという乾いた音を立てて冷たい床に転がった。

​(く、そ……! このままでは……!)

​僕の瞳が激痛に耐えながら、黒い槍の残滓を追う。それは祭壇の祭儀で得られた莫大な闇の魔力を、どこか遠くから遠隔で操作して放たれたものだった。

​本体は、まだこの洞窟のどこかにいる。いや……ここではないどこかに!

​そのとき、ドクンと体が大き脈打った時、何かが光の因子と衝突する決定的な違和感を感じた。

(……なんだ、この違和感は……?)

それは内から込み上げてくる邪悪なものに近かった。僕は​激しく咳き込んだ。口の端から銀色の血が垂れる。

貫かれた傷口からは、闇の魔力が凍てつくような冷たさで僕の魔力を奪い続けていた。

​「チッ……計算外だ」

​僕は、この状況でもなお効率を口にした。

若者たちの保護は完了した。

しかし僕自身が動けなくなれば、全ての任務、全ての努力が無意味になる。

​僕は砕けた岩盤の上で、必死に銀剣の落ちた場所へと手を伸ばした。