宿に戻った俺たちは、それぞれ部屋に戻って体を休めることにした。
俺は黒い粒子の事を考えながら、ベッドの上で仰向けになってじっと天井を見つめていた。
どうすれば、時空の裂け目をもっと早く見つけられる?
今の俺の右目は、時空の裂け目が近くにあると、強く反応を示す。それはそれで十分すぎるほど役に立っている。だが、それはあくまで『近く』にある場合だ。
もし、もっと遠い場所に、それこそこの街のどこかで時空の裂け目が開いたとしたら、俺はすぐに気づくことができない。
そうなれば、黒い粒子──つまり向こう側の存在が、俺たちが気づかない間にこの世界に侵入して来る。
少しずつの侵入であっても、それはやがて無視できない脅威になる。
それに俺の右目は、あくまで時空の裂け目の存在を感知するだけで、その原因を特定することはできない。
原因を特定できなければ、根本的な解決には至らない。
俺が知りたいのは、時空の裂け目がなぜ、今、頻繁に現れるようになったのか。その原因と、その裂け目がどこから来ているのかだ。
もしこの右目に、時空の裂け目の発生源や、その裂け目がどこに繋がっているのか、といった情報を視覚化する能力を付与できたらどうだろう。
あるいは、この世界全体に漂うマナの流れを読み取ることで、時空の乱れを察知できるようになったら……。
いや、待て。
それは俺の右目と雫に、あまりにも過大な負荷をかけてしまうだろう。
それに、雫は俺の魔力を抱える器であり、俺の体の一部だ。負荷をかけすぎれば、俺の身体がもたないだろうし、魔法を使う時に支障をきたす。
だから別の方法を考える必要がある。
例えば、時空の裂け目のエネルギーを検知する『探知機』のようなものを作れないだろうか。
魔力工学に詳しい奴がいれば、もしかしたら……。
あるいは、俺たちの世界に存在するマナを逆手に取って、時空の裂け目が発生した瞬間に、マナの乱れを感知できる魔術的な結界を、街全体に展開する。
だが、それはエクレールとレーツェルの力が必要になるだろうし、大がかりになりすぎる。
それに、もし七つの悪魔たちが、その結界を逆手に取って、こちらの情報を手に入れてしまったら……。
思考は堂々巡りだ。簡単に答えは見つからない。
だが、この問題を解決しなければ、この世界の平和は、もろくも崩れ去ってしまうだろう。
俺は、もう一度、深く考え始めた。
俺は黒い粒子の事を考えながら、ベッドの上で仰向けになってじっと天井を見つめていた。
どうすれば、時空の裂け目をもっと早く見つけられる?
今の俺の右目は、時空の裂け目が近くにあると、強く反応を示す。それはそれで十分すぎるほど役に立っている。だが、それはあくまで『近く』にある場合だ。
もし、もっと遠い場所に、それこそこの街のどこかで時空の裂け目が開いたとしたら、俺はすぐに気づくことができない。
そうなれば、黒い粒子──つまり向こう側の存在が、俺たちが気づかない間にこの世界に侵入して来る。
少しずつの侵入であっても、それはやがて無視できない脅威になる。
それに俺の右目は、あくまで時空の裂け目の存在を感知するだけで、その原因を特定することはできない。
原因を特定できなければ、根本的な解決には至らない。
俺が知りたいのは、時空の裂け目がなぜ、今、頻繁に現れるようになったのか。その原因と、その裂け目がどこから来ているのかだ。
もしこの右目に、時空の裂け目の発生源や、その裂け目がどこに繋がっているのか、といった情報を視覚化する能力を付与できたらどうだろう。
あるいは、この世界全体に漂うマナの流れを読み取ることで、時空の乱れを察知できるようになったら……。
いや、待て。
それは俺の右目と雫に、あまりにも過大な負荷をかけてしまうだろう。
それに、雫は俺の魔力を抱える器であり、俺の体の一部だ。負荷をかけすぎれば、俺の身体がもたないだろうし、魔法を使う時に支障をきたす。
だから別の方法を考える必要がある。
例えば、時空の裂け目のエネルギーを検知する『探知機』のようなものを作れないだろうか。
魔力工学に詳しい奴がいれば、もしかしたら……。
あるいは、俺たちの世界に存在するマナを逆手に取って、時空の裂け目が発生した瞬間に、マナの乱れを感知できる魔術的な結界を、街全体に展開する。
だが、それはエクレールとレーツェルの力が必要になるだろうし、大がかりになりすぎる。
それに、もし七つの悪魔たちが、その結界を逆手に取って、こちらの情報を手に入れてしまったら……。
思考は堂々巡りだ。簡単に答えは見つからない。
だが、この問題を解決しなければ、この世界の平和は、もろくも崩れ去ってしまうだろう。
俺は、もう一度、深く考え始めた。



