ヴェルト・マギーア ソフィアと魔道と剣戟の勝利者

「あのエテルナの審判に参加出来るってだけで、すっげぇ嬉しいんだ! あの大会で勝って頂点にたった者は、それこそ世界中のみんなに認めてもらえた存在だって事なんだ。あの祭典に出場することは、俺の長年の目標の一つでもあるんだ」

ロキはそう熱っぽく語り、訓練場の空に向かってぐっと拳を突き出した。

「あそこで俺が力を証明できれば、きっとまた一歩あいつに近づくことができる。そんな気がしてならないんだ」

ロキの言う『あいつ』が誰なのか、俺にははっきりと心当たりがあった。だが、あえてその名前は出さずに、俺もロキと同じように、遠い空を見上げた。

「でも、カレンもその祭典に招待されているんだろ? だったら、優勝するのは相当難しそうだな」

「だろうな! とてつもなく難しいだろう! でも、それでも諦めねぇ! あいつを負かして、俺は強いんだって証明してみせるぜ!」

ロキの瞳に燃えるような闘志が宿る。その背後には、本当にメラメラと炎が立ち上っているように見えた。その圧倒的な熱気に、俺は思わず一歩、彼から距離を取った。

「魔法剣戟大会か……」

(きっと、ソフィアだったら目を輝かせて一緒に行きたいと言うだろうな。)

ヴァリス・エテルニタスには、世界各地からそれぞれの道の猛者たちが集う。ソフィアにとっては、それだけで自分の成長に繋がる、最高の刺激をもらえる場になるだろう。

だったら、俺も。

ふと、自分の目でその大会を見てみたいという考えが頭を過った、まさにその時、俺の目の前にロキの大きな手が差し出された。

「だから、アレス。お前も一緒に行こうぜ!」

「…………えっ?」

ロキの言葉と、力強く差し出されたその手を交互に見る。

「エテルナの審判には、本当にいろんな奴らが出場する。きっと、今まで見た事もない魔法や、想像もつかない戦い方をしてくる奴らだっている。それはきっと、出口が見えなくて悩んでいるアレスにも、最高の刺激になるんじゃないか?」

「ロキ……」

まさか自分が漠然と考えていたことを、ロキに正面から言われるとは思わず、俺は思わず苦笑した。

「ロキ、お前……たまには、本当にいい事言うんだな」

「なっ! たまにはってなんだよ! お前の心の中、全部お見通しなんだからな! ……俺のこと馬鹿にしてるのかよ?」

「いや、そんなことない。最高の提案だと思ったし、実は俺も行くかどうか少し考えていたところだったからさ」

俺は差し出されたロキの力強い手を掴み、地面から勢いよく立ち上がった。

「きっと、俺が今この場所で、一人でできることはもう限界なんだ。だから、ここで立ち止まって堂々巡りで悩んで居るよりも、新しい刺激と、まだ知らない知識を受け入れることにする」

そうだ。きっと別方向から知識や情報を得ることで、今は見えてこなかった光が見えるようになるはずだ。

「だから、ロキ。決めた。一緒に行こうぜ」

俺はそう言って、隠していた歯を見せて力強く笑った。