――私が恋をした人は、クマのぬいぐるみでした。
 自分で動くことはできなかったけど、人間並みの感情を持っていた。

 ……それは、もう過去の話。

 『もう二度と美心を悲しませない。約束するよ』
 
 言葉で、視線で、ぬくもりで、いまは全ての感情を伝えてくれる。
 もう、心を置き去りにしないし、意思を大事にしたい。

 笑顔を繋いでいく夢も。
 願い続けた希望も。
 眩しく輝いている。
 
 これからも人々に愛され、人との繋がりを紡いでいく。
 
 ――それが、君の希望。

 私は君と出会えた奇跡に感謝しながら、お互いの夢を少しずつ育てていこうと思う。
 
 私には君が必要だから。
 

 君が繋ぐ未来には、笑い声が溢れ、人々の温もりが広がる。
 小さな希望も大きな夢も。一つ一つが光となり、誰かの背中をそっと押す。

 そんな未来が、少しでも温かいものになりますように。

 
 【完】