
- 作品番号
- 1754842
- 最終更新
- 2025/06/30
- 総文字数
- 21,442
- ページ数
- 15ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 8
- ランクイン履歴
-
和風ファンタジー36位(2025/07/07)
人を喰らえない鬼、椿。
彼女は母から虐げられ、妹からは歪んだ愛情を向けられていた。
「人も喰らわぬ。鬼の力も弱い。今のお前は何の価値もない。お前には天ヶ谷家当主の器がない。……縁を切るわ。もうどこへでも行きなさい」
当主である母から縁を切らそうになったその時――。
「可哀想なお姉様。お母様からひどい仕打ちを受けていたでしょう? でも、もう大丈夫。私がお母様を消し去りましたから!」
妹の白百合が母を殺し、椿の角を折ってしまう。
「そんなに驚かないで。鬼でいるのは苦しかったでしょう? 人を喰らうのが嫌なのでしょう? でも、もう大丈夫です。これで人として生きられますよ」
そうして人の世に飛ばされた椿は、鬼を倒す「鬼祓い」の刹那と出会う。彼はなぜか椿に親切で、ともに暮らすようになる。
互いに惹かれ合っていく二人。
「刹那様がいてくださったから、心配事が消えました」
「……不思議な気分だ。椿といると大丈夫だと思えるんだ」
だが、街の人々が次々と鬼に攫われる事件が発生し……。
「私たちはこの世で生きるべきではなかったのよ。帰りましょう。いるべき場所へ」
彼女は母から虐げられ、妹からは歪んだ愛情を向けられていた。
「人も喰らわぬ。鬼の力も弱い。今のお前は何の価値もない。お前には天ヶ谷家当主の器がない。……縁を切るわ。もうどこへでも行きなさい」
当主である母から縁を切らそうになったその時――。
「可哀想なお姉様。お母様からひどい仕打ちを受けていたでしょう? でも、もう大丈夫。私がお母様を消し去りましたから!」
妹の白百合が母を殺し、椿の角を折ってしまう。
「そんなに驚かないで。鬼でいるのは苦しかったでしょう? 人を喰らうのが嫌なのでしょう? でも、もう大丈夫です。これで人として生きられますよ」
そうして人の世に飛ばされた椿は、鬼を倒す「鬼祓い」の刹那と出会う。彼はなぜか椿に親切で、ともに暮らすようになる。
互いに惹かれ合っていく二人。
「刹那様がいてくださったから、心配事が消えました」
「……不思議な気分だ。椿といると大丈夫だと思えるんだ」
だが、街の人々が次々と鬼に攫われる事件が発生し……。
「私たちはこの世で生きるべきではなかったのよ。帰りましょう。いるべき場所へ」
- あらすじ
- 鬼は人の魂を喰らう。そうして人ならざる力を得る。だが鬼の名家に生まれた椿は、人を喰らうことが出来なかった。当主である母は椿の力が弱まらぬように、修行と称して虐待のような躾を行っていた。ある日、椿は母に見限られ「縁を切る」と言われる。ところがそれを受け入れようとした矢先、妹の白百合が母を殺してしまう。そして驚く椿は白百合に角を折られ人の世へ送られてしまい……。
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