「こないだは、急に帰ってすみませんでした」
前回と同じカラオケ店。全員が集まったところで、事情を話して頭を下げる。
「あー、やっぱり知り合いだったんだー」
咲さんが眉を下げて、大丈夫かを気遣ってくれる。
「ごめんね、気が付かなくて」
「いえいえ、私達も全くだったんで」
セイさんはかなり責任を感じてくれているらしく、私と真面目くんは必死に否定する。……だから、オフ会に参加しないと決めていたのに。
こうして始まった二回目の交流会。身構えていたけどSNS上でのやり取りみたいに気さくに話せて、世代を感じさせないほどにノリが良い。そして改めて思う、やっぱりここに居る人達は心から音楽を愛しているのだと。
「最近、活動してないね?」
空いていたスペースに座ったセイさんは、私に聞こえるだけの声でボソッと呟いた。
「はい、なかなか……」
ははっと笑って見せた。
「もしかして、辞めようとしてる?」
私を見つめる目は柔らかで優しく、全てを悟っているようだった。
「……はい」
コクンと頷いた途端、胸に押し寄せる熱い何か。
ずっと逸らしてきた現実を、セイさんには話せる。
「ごめんね、身バレが原因だよね?」
「違います。きっと身の振り方を考える時期だったと思います。遅かれ早かれ、こうなっていました。身バレした活動者は他にも居ます」
そう。身バレは決して珍しくもなく、度々騒がれることがある。その事態に続けるか辞めるかは、活動者自身。自己責任だ。
「出来れば活動は辞めて欲しくないな。勝手な話だけど」
ズキン。
セイさんの優しい眼差しに胸が痛む。
セイさんは当初より優しい人で正直初めは疑ってかかっていたけど、その人格は関わりが増えていく中で本物なのだと気付いていった。
もし私の身近にこうゆう人が居てくれたら、私の人生も変わっていたのかな?
どうしようもない考えが浮かび、私は唇をギュッと噛み締めてしまう。
前回と同じカラオケ店。全員が集まったところで、事情を話して頭を下げる。
「あー、やっぱり知り合いだったんだー」
咲さんが眉を下げて、大丈夫かを気遣ってくれる。
「ごめんね、気が付かなくて」
「いえいえ、私達も全くだったんで」
セイさんはかなり責任を感じてくれているらしく、私と真面目くんは必死に否定する。……だから、オフ会に参加しないと決めていたのに。
こうして始まった二回目の交流会。身構えていたけどSNS上でのやり取りみたいに気さくに話せて、世代を感じさせないほどにノリが良い。そして改めて思う、やっぱりここに居る人達は心から音楽を愛しているのだと。
「最近、活動してないね?」
空いていたスペースに座ったセイさんは、私に聞こえるだけの声でボソッと呟いた。
「はい、なかなか……」
ははっと笑って見せた。
「もしかして、辞めようとしてる?」
私を見つめる目は柔らかで優しく、全てを悟っているようだった。
「……はい」
コクンと頷いた途端、胸に押し寄せる熱い何か。
ずっと逸らしてきた現実を、セイさんには話せる。
「ごめんね、身バレが原因だよね?」
「違います。きっと身の振り方を考える時期だったと思います。遅かれ早かれ、こうなっていました。身バレした活動者は他にも居ます」
そう。身バレは決して珍しくもなく、度々騒がれることがある。その事態に続けるか辞めるかは、活動者自身。自己責任だ。
「出来れば活動は辞めて欲しくないな。勝手な話だけど」
ズキン。
セイさんの優しい眼差しに胸が痛む。
セイさんは当初より優しい人で正直初めは疑ってかかっていたけど、その人格は関わりが増えていく中で本物なのだと気付いていった。
もし私の身近にこうゆう人が居てくれたら、私の人生も変わっていたのかな?
どうしようもない考えが浮かび、私は唇をギュッと噛み締めてしまう。



