翌日。

無惨に焼けた御座船の残骸とは裏腹に、桜の花がみごとに咲いている。

風がそよぐたび微かに川面が波打ち、そこに映る桜の木もたおやかに揺れている。

藍は逃げながら、昨日、龍斗に貰った桜の簪を大事そうに懐にしまった。


会いたい──。

例え、今世で会えなくても来世ででも、何度生まれ変わっても──必ず。


そう胸に誓いながら──。