竹久祐さんの作品一覧

空と君との間には
竹久祐/著

総文字数/111,294

青春・恋愛312ページ

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「あの、おしぼり持って来ましたけど……」 紗世はイケメンの傍らに寄り添うショートボブの、眼鏡をかけた女性に、おしぼりを差し出す。 ショートボブの女性は憮然とした表情で、おしぼりを受け取ると、素早く広げてイケメンの顔を拭き始める。 「麻生くん、ありがとう。異動早々すまないね、編集長の|渡部篤史《わたべあつし》だ。宜しくね」 渡部は穏やかに微笑んで、紗世の手を取り軽く握手する。 「麻生紗世です。宜しくお願いします」 「ん、出払って居ない人間も多いから、今はそこの|黒田芽以沙《くろだめいさ》くんと私。それから、そこに寝ている|結城由樹《ゆうきよしき》しかいないけど」 ――結城由樹!? 紗世はソファーに寝ているイケメン「結城由樹」を見つめる。 同期で総務部所属の愛里が、いつだったか「うちの会社には超有名人がいるんだって」と話していたのを思い出す。 結城由樹は 円山夏樹出版の編集部社員 俺様で仕事ができるイケメンだが…… 満員のエレベーターにすら乗れない超病弱男子 麻生紗世は、そんな結城の部下になる 結城がひた隠す秘密とは? 【登場人物】 ★結城由樹 入社以来ミスなし 苦情なし 特技〉 パソコン超高速打ち 苦手〉 満員の電車、エレベーター 俺様で 超病弱男子なイケメン ★麻生紗世 天然な65Aカップ 幼児体型のOL ★沢山江梨子 ヒステリック、高飛車、 我儘、自己中な 女流ベストセラー作家 ★西村嘉行 ミステリー作家、代表作は 「銀田末幸之助シリーズ」 三段腹のエロおやじ ★浅田杏子 秘書課所属 社長秘書 香水の匂いがキツイ 会社マドンナ ★黒田芽以沙 かつては 鬼と呼ばれた編集部部員 結城贔屓の今、お局様 ★万萬詩悠 年齢経歴不詳 聴唖(耳は聞こえるが 口の利けない) 会話は筆談か手話 群青新人賞受賞の新進作家 ★その他…… BGMは 「空と君のあいだに」 (作詞作曲:中島みゆき) 君が涙のときには 僕はポプラの枝になる…… ―――恥ずかしながら (o>ω<o)初めて、 オフィスラブ風に挑戦です 2022 10.6~
ポケットにあの日をしまって
竹久祐/著

総文字数/16,145

青春・恋愛46ページ

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蒼司side 】 降りしきる雨を見上げて、彼女は笑っていた。 両手を高く、空に向けて、雨に打たれながら。 部活の帰り、寄り道した高台。 俺は傘を差し出すのも忘れ、彼女をみつめていた。 何が嬉しくて、ずぶ濡れで笑っているのか。 彼女をみつめながら、考えていた。 あと数日で4月になるというのに、体の芯まで冷え込む雨の日だった。 声も立てずに笑って、空を見上げた彼女の姿は透き通るほど綺麗だった。 茉莉side】 降りしきる雨に打たれ、何もかも忘れてしまいたかった。 傘も差さずに、思い切り雨に打たれた。 ずぶ濡れになれば、辛さも悲しさも洗い流し、無かったことにしてくれないかと思った。 こはならむ・堂村璃羽×スターツ出版 楽曲コラボコンテスト 応募するつもりだったのに……。
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