2章:七不思議の始まり
学園に新たな異変が起きていた。昼休み、掲示板に何かが書かれたという噂が広がり、興味津々で集まった生徒たちが掲示板の前に群がっていた。
「また、あの怪しい落書きが…」
直悠が言う。彼は普段は冷静で優雅な振る舞いを見せるが、この時ばかりはその様子が少し違った。心の中では、あまりにも奇妙な出来事に困惑しているのだろう。掲示板には、黒いインクで「竜の力を引き寄せる者」の文字が不自然に描かれていた。
その文字を見つめる愛海の顔が、次第に固くなる。「また…だよね、これ。」
「誰かが冗談でやったんだろう。でも、あまりにもタイミングが合いすぎてる。」はるとは冷静に分析する。しかし、直感的に何か大きなものが動き出していることを感じ取っていた。
その瞬間、亜梨沙が声を上げた。「こんなこと、無視するわけにはいかない。私、何かを掴むよ。」
その言葉に、はるとは驚きつつも納得する。亜梨沙の強さが、これからの事態に必要不可欠であることを感じていた。
「じゃあ、俺たちで調べるか。」はるとの一言で、調査が始まる。学園内の異変は、一つ一つ手がかりを残していく。それがついには、学園の地下に隠された秘密に繋がることになる。