ヤバい教師ー赤月先生ー


17章:学園の未来
異次元の扉が閉じ、竜の力がようやく封じ込められた瞬間、学園内に広がっていた恐怖と混乱は一瞬にして消え去り、静けさが訪れた。学園内の崩れた壁や歪んだ空間も元に戻り、異次元の力に支配されていた学園は、ようやくその本来の姿を取り戻した。
「やった…」はるとは小さく息を吐きながら呟いた。彼の胸には、これまでの緊張が解けるような安堵感が広がっていたが、同時に亜梨沙のことが気掛かりでならなかった。
亜梨沙はそのまま意識を失って倒れ、無防備に横たわっている。その顔には、かすかな微笑みが浮かんでいるが、その瞳は閉じられ、もう力を使い果たした様子だった。
「亜梨沙…」はるとは彼女に近づき、そっと彼女の顔を覗き込んだ。手を取って軽く揺すってみるが、彼女の体はしっかりと温かく、まだ生きていることに安堵した。しかし、その疲れきった表情には、あまりにも大きな代償が伴っていることを感じずにはいられなかった。
「無理して使いすぎた力が、あまりにも危険だ…」愛海が側に来て、亜梨沙の顔を心配そうに見つめる。「でも、彼女が戦ってくれたから、私たちは守られた。」
「亜梨沙を助ける方法を見つけなければならない。」直悠が静かに言った。彼の冷徹な目には決意の光が宿っている。「彼女はすでにあれだけの力を使って、私たちを守った。それを支えるためには、何かをしなければならない。」
その言葉に、はるとはうなずいた。亜梨沙を助けるために、彼らは力を合わせて最後の問題に立ち向かう覚悟を決めていた。
そのとき、学園の中央から奇妙な音が響き渡る。まるで学園全体が再び異次元の力に引き寄せられようとしているかのような、不穏な音だった。
「これ…一体何だ?」愛海が緊張した面持ちで言う。
直悠はその音に耳を澄ませながら、徐々にその音の正体を掴みかけているようだった。「この音…学園内に残っている異次元の力の痕跡だ。竜の力を封じ込めたとしても、完全に消し去ることはできていない可能性がある。」
その言葉を聞いたはるとは、改めて学園全体に漂う不安な気配を感じ取った。異次元から引き寄せられた力は、まだ学園のどこかに存在しており、それが完全に消えることなく、彼らを再び試すかのように蠢いていた。
「異次元の力…学園にはまだそれを引き寄せる装置が残っているのか?」はるとは思わずその問いを口にした。彼の言葉に、直悠が考え込みながら答える。
「もし、装置が残っているとすれば、それは赤月先生が使っていたものだ。学園内のどこかにまだその装置があるかもしれない。」
その時、学園の奥からまた別の音が響き、今度はそれが強く響いてきた。学園の地下、赤月先生が使っていた儀式の場所から音が伝わってきている。それは、学園が異次元の力に再び引き寄せられる前兆だった。
「急がないと…!」はるとは力強く言った。彼は再び仲間たちと目を合わせ、無言で決意を固めた。「この学園を完全に守るためには、残っている異次元の力を完全に封じ込めなければならない。」
亜梨沙を支えながらも、彼らは再び地下室へと向かう決意をした。学園の未来を守るため、彼らができることをすべてやり遂げる覚悟を決めた。