ヤバい教師ー赤月先生ー


15章:暴走する力
儀式の準備が整った。学園の地下深くに広がる広間は、暗くひんやりとした空気で満たされていた。亜梨沙は中央に立ち、周囲に散らばる古代の遺物や符号を見つめていた。彼女の手には、竜の力を封じるために必要なアイテムが握られており、その力を解放するために心の準備を整えている。
はると、愛海、直悠の三人は、儀式が始まるのを静かに待っていた。亜梨沙がこれからどれほど大きな力を使うのか、その先に待つであろう試練を想像するだけで、胸が締め付けられるようだった。
「亜梨沙、無理しないで。」愛海の声が響く。その声には、彼女がどれほど亜梨沙を心配しているかが感じ取れる。
「私は大丈夫。」亜梨沙は静かに言った。力強さとともに、どこか覚悟を決めた表情が浮かんでいた。「これが最後の戦いだから。」
直悠はその言葉にうなずくと、彼女の周りを囲むように立ち、冷静に言った。「亜梨沙、力を使い過ぎると体が壊れる。できるだけ俺たちの力を使って、支え合おう。」
「ありがとう、みんな。」亜梨沙は微笑みながら、その力を解放し始めた。その瞬間、空気が重くなり、周囲の温度が一気に下がるのを感じた。竜の力が、地下室全体に満ち始めた。
次第に、亜梨沙の体から赤い光が放たれ、空間全体が揺れ動く。その光は、まるで生き物のように脈打っており、まるで異次元の扉が開かれるかのような気配が漂っていた。儀式の力が強まり、学園全体に伝わる波動が感じられる。
「これで…学園の異次元の力が完全に封じられるのか…?」はるとは心の中で問いかけるが、その答えはすぐに出てこない。
だが、儀式が進行するにつれて、次第に異常なエネルギーが暴走し始めるのを感じた。竜の力は亜梨沙の身体を超えて学園全体に広がり、異次元の力が再び溢れ出していた。それは、亜梨沙が力を使う度に感じていた危険信号だった。
「亜梨沙、もうやめろ!」はるとは必死に叫んだ。亜梨沙はその声に一瞬反応したが、目の前に広がる強大な力を止めることができない。彼女の体は、力を使い果たし、すでに限界に近づいていた。
「止められない…!」亜梨沙はその手を力強く振り、必死に力を収めようとしたが、暴走する力を制御することができなかった。その力が、学園内の隅々にまで広がり、壁が震え、天井が崩れ落ちるほどの勢いで暴れだした。
「亜梨沙、頼む、力を収めてくれ!」愛海の声が震えている。彼女は亜梨沙の元へと駆け寄り、何とか彼女を支えようとする。しかし、亜梨沙はもうそれを受け入れることができず、全身に力を込めて、光を放ち続けている。
その時、地下室の奥から一際強い光が放たれ、異次元の扉が完全に開かれた。そこから、巨大な竜が現れ、学園を飲み込むように迫ってきた。竜の目は、炎のように赤く燃え、学園内に充満する異次元の力を支配しようとしていた。
「これが、赤月先生が望んでいたこと…」はるとは震えながら呟くが、すぐに決意を固めた。「俺たちが、止めなければ!」
その瞬間、亜梨沙の目が完全に閉じられ、彼女は膝をついて倒れ込んだ。竜の力は、まるでその瞬間を待っていたかのように、異次元の空間を広げ、学園全体がその力に飲み込まれようとしている。
「亜梨沙!」はるとは彼女の名前を叫び、駆け寄る。亜梨沙はすでに意識を失っていたが、彼女の体からはまだ微かな力が放たれていた。
「亜梨沙が倒れたら、この力は制御できない…!」直悠が冷静に言った。「今すぐに、この竜の力を封じ込める方法を見つけなければ、学園が異次元に引き寄せられてしまう!」
その時、学園の外からかすかな音が響いた。それは、学園の周囲を取り巻くようにして立つ、赤月先生の姿だった。彼は微笑みながら、ゆっくりと歩み寄ってきた。
「ようやく、私の計画が完成したか。」赤月先生の声は冷徹で、どこか楽しげだった。「君たちがどれほど頑張っても、私の力を止めることはできない。」
その言葉に、はるとたちは決して諦めない。今、目の前にある強大な竜の力を制御するため、最後の戦いが始まる。