ヤバい教師ー赤月先生ー


14章:古代の儀式
翌日、はるとたちは集まり、学園内で見つけた古文書を手に持ちながら、亜梨沙の力を制御するための方法を模索していた。古代の儀式が必要だとわかり、それを実行するためには亜梨沙が再びその力を使わなければならない。しかし、その儀式には重大なリスクが伴うことがわかり、彼女の命を守りながら学園を守る方法を見つける必要があった。
「この儀式、完全に亜梨沙の力を使うことが前提になっているんだな…」直悠が古文書を見つめながら言った。彼の表情は真剣そのもので、冷静さを欠いていない。しかし、その言葉の裏には明らかな不安が隠れていることが感じ取れる。
「亜梨沙がその力を使う度に命が削られているってわかってる。それでも、これをやらないと学園が危ない。」はるとはしばらく黙り込み、思考を巡らせた。古文書に書かれている儀式の内容は非常に複雑で、ただ竜の力を制御するだけでなく、異次元との繋がりを完全に断ち切るための儀式だった。それを成功させるためには、亜梨沙の全ての力を解放しなければならない。
「でも、それって…彼女にとってあまりにも危険じゃないか?」愛海が不安そうに言った。「亜梨沙がその力を使い続けることは、彼女自身を壊すことだってわかってる。どうすればいいの?」
はるとはその質問に答えられず、ただしばらく黙っていた。亜梨沙が力を使い続ければ、彼女の命が短くなっていくことは間違いない。それでも、他に方法が見つからない以上、彼女にその力を使わせることが最も現実的な選択肢に思えた。
「でも、亜梨沙が本当にやる気なら、私たちも支えるしかない。」直悠の声が、静かな決意を込めて響く。「彼女が選んだ道だ。俺たちがそれを止めることはできない。でも、最後まで支えてやる。」
愛海は少し考えた後、深く息を吐いた。「そうだね。亜梨沙を守るために、私たちも全力でサポートしないと。」
その時、保健室の扉が静かに開き、亜梨沙が顔を出した。目にはまだ疲れが残っていたが、顔つきには何か覚悟を決めたような強さが感じられる。
「みんな、話してるのはわかってた。」亜梨沙は静かに言った。その声には、決して弱音を吐かない、強い意志が感じられた。「私は、力を使う覚悟ができた。でも、みんなにもお願いがある。」
「お願い?」はるとはその言葉に驚き、亜梨沙の目を見つめた。
「私が力を使うことで、学園を守れるなら、私はそれを選ぶ。でも…もし、私が倒れた時には、みんなが学園を引き継いで守ってほしい。」亜梨沙はその言葉を絞り出すように言った。「私ができることは限られている。でも、少なくとも最後まで戦うことはできる。」
その言葉を聞いた瞬間、はるとたちは胸の奥に何かが込み上げてくるのを感じた。亜梨沙は、あれほどまでに自分を犠牲にしてでも学園を守ろうとしている。それに応えることができるのは、仲間である自分たちだけだと、強く感じた。
「亜梨沙…」はるとはゆっくりと彼女に近づき、その手を取った。「俺たちは絶対に君を守る。君が選んだ道、最後まで支えるよ。」
「ありがとう。」亜梨沙は微笑んだ。その微笑みの中に、少しの寂しさと、でも何よりも強い覚悟が宿っていることを、はるとは感じた。
その後、亜梨沙は古代の儀式を執り行う場所へと向かう準備を始めた。儀式を成功させるためには、彼女が全ての力を解放し、その力を制御しながら異次元との繋がりを断ち切らなければならない。それは亜梨沙にとって、大きなリスクを伴う戦いであった。