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以前聴いた曲の長さは10分17秒。忘れやすいためメモに残している。
見つからないように周りを気にしながら裏口の扉を開ける。

「るいかちゃん」

名前を呼ぶが今日は返事がない。あたりを見渡しても暗闇が広がっていた。ふと足元に何かが置いてあるのを見つけ、それを持ち上げた。

ーーーー『プレゼントです』

1枚のメモ用紙がはられており、そこに書かれている文字を見つめる。大事そうに抱えて中に入り、薄く灯りがついている共同のスペースへと持っていった。

誰もいないその空間で、箱の蓋をあける。

プレゼント。嬉しいはずだが、それがどういうものなのか分からない。

ペットボトルのようなものに入っているのは透明な水。それに加え、シリコン製の型のようなものが青色のピンク色の2つ入っていた。

青色の型の底には、また1枚のメモ用紙が入っている。


ーーーー『しっかり冷やしてね。固まったら、もう一つの型に移し替えて、青色の方は捨ててください』



「変なプレゼント」


だが、それでも嬉しかった。
次はいつ話せるだろうかと心が弾む。

水の入っているペットボトルの蓋を外し、
そしてゆっくりと青色の丸に透明の水を注いでいった。