日曜日当日。
天気予報は曇り時々雨だったが、ずれたのか薄曇り。
寒すぎない気温はコスプレするだろう子供達には良いのでは無いかと陽子が思った。
「一時期は子供のハロウィーンコスプレをやめるべきではという話も自治会で出たの。
どうしてもこれが着たいという子供達に親は他の子達が衣装を着ている以上、いい加減普段着でも良いのではとも言いにくいからって」
「格差が出るんですか、このエリアでも」
「格差では無く、考え方の違いかしら。
ある程度の費用は許して自由にさせるところと、制限をかけるところと。
結局は豪華にはさせすぎないであとは自由にしましょう、ということでなんとかまとまったのよ」
「豪華って、どこまでこり出したのか怖いですね」
学校の制服があるのは統一感を出させると同時に、貧富の差を露呈させない点にも寄与している。
陽子も子持ちの友人達から、制服が便利だとは聞きつつも、成長することで買い換えの問題が出たりするのは大変らしい。
確かに中学生男子など一年と三年では成長する子はするだろうし、走り回って破くなども実際同級生で見てきたので別の意味でお金がかかるだろうと陽子は思った。
服や小物が小さいときから差別や本人のプライドなどに影響するというのなら、消極的な意見が出ても仕方が無いだろう。
しかし陽子としては、せっかく面白い街に近いのだから予算内で楽しむということをしてはどうなのだろうかと和代に話せば、どちらに転んでも振り回されるのは親御さんよと言われて、確かにと答えてしまった。