「幸せってどういうものをさすのかしらね」
「例えば、幸せな家庭とか、そういうのでしょうか」
「陽子さんが言う幸せな家庭ってどういうもの?」
「両親仲が良くて、兄弟仲が良くて、持ち家があって、生活が苦しくなくて」
「ペットがいて、年に一回海外旅行に家族で行くとか?」
和代の突っ込みに陽子は苦笑いした。
「なんだかお決まりのものですけど、そういうのが幸せかも知れないです」
「今ではハードルが高いと言われた世界ね、一昔前はその半分くらいはクリア出来ていたけれど」
「世知辛い世の中になりました。
将来の不安は募るばかりだし」
「幸せって自分で結局は作り出すものなのよ」
和代はそう言いながら、オーブンに最後のクッキー分を入れた。
既に部屋には香ばしい香りが充満していて、子供達がいたら冷ましているクッキーなど一瞬で消えそうだ。
「幸せの形って人によって様々で、外に落ちてる物では無いの。
自分でこれが幸せって作り出して、それを掴むことが幸せ。
だから他人の思う幸せと、自分の幸せは同じようでいてどこか違っていたりする。
クッキーが好きだと言っても、ある人は柔らかめが好きだったり、サクサク感が大事だったり。
有名人気店の貴重なクッキーを買っても、自分の好みじゃ無ければちょっと残念に思ったりするのよね。
これなら自分が作るクッキーの方が遙かに美味しいと思ってみたり」
陽子はなんとなく和代の言いたいことがわかった。
もう何度和代の手作り料理、菓子を食べただろう。
会社でもらった高級菓子よりも、和代の菓子には勝てないと今では思ってしまう。
愛情が多めに入っているのかしら、と和代は陽子が褒める度に笑った。
そんな料理を食べて幸せだと思わないはずも無い。
「幸せって大変ですね。
つい人と比べてしまうし、欲深くなってしまうし」
「仕方が無いわ、人間だもの。
でも結構幸せって身近にあるものよ?
実は今夜すき焼きにするの。
A5の国産牛をいただいてしまって。
そしていつも頼んでいる農園から美味しいブドウが届いたのでデザートに出ます」
「あーー、それは幸せですね、間違い無く」
真面目な顔で和代は語り、陽子は真顔で返す。
そして二人して思わず吹き出した。
「例えば、幸せな家庭とか、そういうのでしょうか」
「陽子さんが言う幸せな家庭ってどういうもの?」
「両親仲が良くて、兄弟仲が良くて、持ち家があって、生活が苦しくなくて」
「ペットがいて、年に一回海外旅行に家族で行くとか?」
和代の突っ込みに陽子は苦笑いした。
「なんだかお決まりのものですけど、そういうのが幸せかも知れないです」
「今ではハードルが高いと言われた世界ね、一昔前はその半分くらいはクリア出来ていたけれど」
「世知辛い世の中になりました。
将来の不安は募るばかりだし」
「幸せって自分で結局は作り出すものなのよ」
和代はそう言いながら、オーブンに最後のクッキー分を入れた。
既に部屋には香ばしい香りが充満していて、子供達がいたら冷ましているクッキーなど一瞬で消えそうだ。
「幸せの形って人によって様々で、外に落ちてる物では無いの。
自分でこれが幸せって作り出して、それを掴むことが幸せ。
だから他人の思う幸せと、自分の幸せは同じようでいてどこか違っていたりする。
クッキーが好きだと言っても、ある人は柔らかめが好きだったり、サクサク感が大事だったり。
有名人気店の貴重なクッキーを買っても、自分の好みじゃ無ければちょっと残念に思ったりするのよね。
これなら自分が作るクッキーの方が遙かに美味しいと思ってみたり」
陽子はなんとなく和代の言いたいことがわかった。
もう何度和代の手作り料理、菓子を食べただろう。
会社でもらった高級菓子よりも、和代の菓子には勝てないと今では思ってしまう。
愛情が多めに入っているのかしら、と和代は陽子が褒める度に笑った。
そんな料理を食べて幸せだと思わないはずも無い。
「幸せって大変ですね。
つい人と比べてしまうし、欲深くなってしまうし」
「仕方が無いわ、人間だもの。
でも結構幸せって身近にあるものよ?
実は今夜すき焼きにするの。
A5の国産牛をいただいてしまって。
そしていつも頼んでいる農園から美味しいブドウが届いたのでデザートに出ます」
「あーー、それは幸せですね、間違い無く」
真面目な顔で和代は語り、陽子は真顔で返す。
そして二人して思わず吹き出した。