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・【21 事件10.謎の液体・解決編】
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そうだ、あれを使えばある程度簡単に疑似精子を落とすことができるのでは。
さらに商店街の近くでやっていたということは、つまりそういうことじゃないか?
俺は佐藤さんに連絡し、俺の考えを発表してから、矢継ぎ早に次の行動に移った。
明日の放課後に決行することになり、俺は気合いを入れた。
次の日、伊織さんに一応こういう予定なんだという話をして、授業&授業で放課後になった。
俺と佐藤さん、そして朝日会長は商店街近くの、伊織さんが疑似精子を掛けられたポイントまできた。
今回は村上副会長も助っ人で来てくださった。
村上副会長は俺と佐藤さんへ、
「勿論朝日会長を守るためですが、貴方たち二人にも借りはあると認識していますので、今日は予定を飛ばしてこちらに来ました」
俺が会釈しながら、
「有難うございます」
と言い、佐藤さんは、
「まっ! 適当にやるし!」
とサムズアップしたところで村上副会長が不安そうに、
「でも特に佐藤さん、大丈夫ですか、今回も疑似のソレという確証は無いんですよ。もしかしたらその中にも本物が入っている可能性もありますし」
確かにそこは後から思ったし、伊織さんには騙すようで悪いけども、伝えていない部分だ。
ミキシングする時に、犯人たちが自分の本物の精子も入れている可能性は十分にありえる、だから、
「俺が女装しておとりをやってもいいんだよ」
「でもいざ撮影している犯人を捕まえる時は力のある益岡がいいし、あーしは別に精子くらいなんてことないし、飲んだこととかあっし」
村上副会長はちょっと度肝を抜かれたような顔をしつつ、
「ま、まあ本人がよろしければいいんですけども……」
飲んだことあるって、別にその話は今する必要無いだろ。
朝日会長も軽く目を背けたし。
まあいいや、
「じゃあおとりが佐藤さんで、俺は近くで撮影しているヤツを見つけて取り押さえて、朝日会長がドローンを操作して、ドローンをドローンで追いかけて向こうの犯人の顔をまず押さえる。余裕があれば佐藤さんと共に現場に直行して捕まえるということですね」
そう、犯人たちはドローンを使って掛けているんじゃないかなと予想した。
商店街の近くでやる理由は周りがうるさいから、ドローンの羽音が紛れるからだと思われる。
ということで前に朝日会長と雑談した時に、朝日会長はドローンが趣味と聞いていたので、ドローンの目線カメラで操作したり、そういったドローンを持っているか昨日聞くと、操作も所有もしているということで、今回この作戦に参加して頂くことにした。
また電波の関係でそんな遠くから操作できないので、朝日会長には商店街内で立ってドローンを操作してもらうため、その朝日会長を周りの人混みから守るために、村上副会長が来た。
「じゃあ佐藤さん、伊織さんが掛けられたポイントでスマホでもイジっていて」
「分かったし!」
そう言って、佐藤さんは商店街の入り口に立って、待ち合わせしているようなフリをした。
俺はその佐藤さんが見えそうな範囲をうろうろして、スマホを構えていそうな人を探した。
すると一人、撮影モードにしてスマホを持っている人を後ろから見つけた。
ズームして佐藤さんを映しているっぽい。
コイツが撮影係だな。
するとどこからともなく、小さな紙コップが乗ったドローンが上空から出現し、佐藤さんの真上でホバリングし始めた。
絶対あれだ。朝日会長のドローンも少し遠目から、そのドローンを目視しているようだった。
掛けたところで現行犯だと思っていると、その小さな紙コップを乗せたドローンはゆっくり傾きだして、最後はその小さな紙コップから液体がこぼれて、佐藤さんに掛かった刹那、俺の目の前の男性がスマホを録画状態にして、佐藤さんの顔にズームにし、撮影し始めたので、有無言わさず腕を掴んで、
「何を撮っているんですか」
と声を掛けたその時、その犯人と思われる男性はサァーと顔を青ざめさせて、逃げようとしたが、ここは気合いでその男性を捕まえた。
それと共にドローンが飛んでいき、そのドローンを追う朝日会長のドローン。
俺はとにかくこの男性を抑えなければと思い、必死に掴んでいると、その男性が声を出して、
「やめろぉぉおおおおおおおおおおお!」
と叫ぶので、徐々に人だかりができてきて、俺とその犯人の喧嘩のようなものを止めに入ってきた二人の男性がそれぞれを羽交い絞めにして、一旦止まった。
こういう時は先手をとったほうがいいと思って、
「コイツ! ドローンで疑似精子を女性に掛けて撮影していました!」
と指差しながら叫ぶと、その男性は、
「そんなわけない!」
と叫んだが、俺は矢継ぎ早に、
「今も撮影中になっているし、そのスマホを取り上げて、動画ファイルを見てほしい!」
と騒ぎ立てると、また一人、男性が犯人からスマホを取り上げて、中を見始めた。
「見るなぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!」
という犯人の異常な剣幕で大体周りも察しつつ、その取り上げた男性が、
「これじゃない?」
と言うと、周りの人だかりもみんな寄って集ってその動画を眺めて、
「なんてことしやがるんだ」
「というか最近そういう話あったけども、コイツが犯人か」
「キんモっ」
「異常性癖じゃん」
と口々に言い始めて、その男性は全ての気力が無くなったように、その場にうなだれた。
俺は羽交い絞めから解放してもらい、
「俺の仲間たちがドローンのほうも捕まえに行っているので、俺もちょっと連絡を」
と言いながらスマホを出そうとしたその時、LINEの通知音が聞こえて、進展があったのかなと思うと、朝日会長からで、
『こちらも取り押さえました。今から三人でそちらへ行きます。』
という通知で、俺はその場に残って警察を呼ぶことにした。
無事、ドローン側の犯人も連れてくると、そのドローン側のほうが、
「おれはコイツにやらされていただけで! 金もらって! おれは変態じゃない!」
「いやいやいや! オマエも喜んでいただろ!」
「いいや! おれは変態じゃない! オマエだけだ!」
と言い合って、正直見苦しかった。
全員と合流したところで、佐藤さんはすぐに近くのマッサージ屋でシャワーを借りたいと言い出して、もう警察も着いたので、朝日会長だけこの場に残って、三人でマッサージ屋への交渉へ行った。
事件は無事解決して、今度俺たち四人は警察から表彰されるらしい。
・【21 事件10.謎の液体・解決編】
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そうだ、あれを使えばある程度簡単に疑似精子を落とすことができるのでは。
さらに商店街の近くでやっていたということは、つまりそういうことじゃないか?
俺は佐藤さんに連絡し、俺の考えを発表してから、矢継ぎ早に次の行動に移った。
明日の放課後に決行することになり、俺は気合いを入れた。
次の日、伊織さんに一応こういう予定なんだという話をして、授業&授業で放課後になった。
俺と佐藤さん、そして朝日会長は商店街近くの、伊織さんが疑似精子を掛けられたポイントまできた。
今回は村上副会長も助っ人で来てくださった。
村上副会長は俺と佐藤さんへ、
「勿論朝日会長を守るためですが、貴方たち二人にも借りはあると認識していますので、今日は予定を飛ばしてこちらに来ました」
俺が会釈しながら、
「有難うございます」
と言い、佐藤さんは、
「まっ! 適当にやるし!」
とサムズアップしたところで村上副会長が不安そうに、
「でも特に佐藤さん、大丈夫ですか、今回も疑似のソレという確証は無いんですよ。もしかしたらその中にも本物が入っている可能性もありますし」
確かにそこは後から思ったし、伊織さんには騙すようで悪いけども、伝えていない部分だ。
ミキシングする時に、犯人たちが自分の本物の精子も入れている可能性は十分にありえる、だから、
「俺が女装しておとりをやってもいいんだよ」
「でもいざ撮影している犯人を捕まえる時は力のある益岡がいいし、あーしは別に精子くらいなんてことないし、飲んだこととかあっし」
村上副会長はちょっと度肝を抜かれたような顔をしつつ、
「ま、まあ本人がよろしければいいんですけども……」
飲んだことあるって、別にその話は今する必要無いだろ。
朝日会長も軽く目を背けたし。
まあいいや、
「じゃあおとりが佐藤さんで、俺は近くで撮影しているヤツを見つけて取り押さえて、朝日会長がドローンを操作して、ドローンをドローンで追いかけて向こうの犯人の顔をまず押さえる。余裕があれば佐藤さんと共に現場に直行して捕まえるということですね」
そう、犯人たちはドローンを使って掛けているんじゃないかなと予想した。
商店街の近くでやる理由は周りがうるさいから、ドローンの羽音が紛れるからだと思われる。
ということで前に朝日会長と雑談した時に、朝日会長はドローンが趣味と聞いていたので、ドローンの目線カメラで操作したり、そういったドローンを持っているか昨日聞くと、操作も所有もしているということで、今回この作戦に参加して頂くことにした。
また電波の関係でそんな遠くから操作できないので、朝日会長には商店街内で立ってドローンを操作してもらうため、その朝日会長を周りの人混みから守るために、村上副会長が来た。
「じゃあ佐藤さん、伊織さんが掛けられたポイントでスマホでもイジっていて」
「分かったし!」
そう言って、佐藤さんは商店街の入り口に立って、待ち合わせしているようなフリをした。
俺はその佐藤さんが見えそうな範囲をうろうろして、スマホを構えていそうな人を探した。
すると一人、撮影モードにしてスマホを持っている人を後ろから見つけた。
ズームして佐藤さんを映しているっぽい。
コイツが撮影係だな。
するとどこからともなく、小さな紙コップが乗ったドローンが上空から出現し、佐藤さんの真上でホバリングし始めた。
絶対あれだ。朝日会長のドローンも少し遠目から、そのドローンを目視しているようだった。
掛けたところで現行犯だと思っていると、その小さな紙コップを乗せたドローンはゆっくり傾きだして、最後はその小さな紙コップから液体がこぼれて、佐藤さんに掛かった刹那、俺の目の前の男性がスマホを録画状態にして、佐藤さんの顔にズームにし、撮影し始めたので、有無言わさず腕を掴んで、
「何を撮っているんですか」
と声を掛けたその時、その犯人と思われる男性はサァーと顔を青ざめさせて、逃げようとしたが、ここは気合いでその男性を捕まえた。
それと共にドローンが飛んでいき、そのドローンを追う朝日会長のドローン。
俺はとにかくこの男性を抑えなければと思い、必死に掴んでいると、その男性が声を出して、
「やめろぉぉおおおおおおおおおおお!」
と叫ぶので、徐々に人だかりができてきて、俺とその犯人の喧嘩のようなものを止めに入ってきた二人の男性がそれぞれを羽交い絞めにして、一旦止まった。
こういう時は先手をとったほうがいいと思って、
「コイツ! ドローンで疑似精子を女性に掛けて撮影していました!」
と指差しながら叫ぶと、その男性は、
「そんなわけない!」
と叫んだが、俺は矢継ぎ早に、
「今も撮影中になっているし、そのスマホを取り上げて、動画ファイルを見てほしい!」
と騒ぎ立てると、また一人、男性が犯人からスマホを取り上げて、中を見始めた。
「見るなぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!」
という犯人の異常な剣幕で大体周りも察しつつ、その取り上げた男性が、
「これじゃない?」
と言うと、周りの人だかりもみんな寄って集ってその動画を眺めて、
「なんてことしやがるんだ」
「というか最近そういう話あったけども、コイツが犯人か」
「キんモっ」
「異常性癖じゃん」
と口々に言い始めて、その男性は全ての気力が無くなったように、その場にうなだれた。
俺は羽交い絞めから解放してもらい、
「俺の仲間たちがドローンのほうも捕まえに行っているので、俺もちょっと連絡を」
と言いながらスマホを出そうとしたその時、LINEの通知音が聞こえて、進展があったのかなと思うと、朝日会長からで、
『こちらも取り押さえました。今から三人でそちらへ行きます。』
という通知で、俺はその場に残って警察を呼ぶことにした。
無事、ドローン側の犯人も連れてくると、そのドローン側のほうが、
「おれはコイツにやらされていただけで! 金もらって! おれは変態じゃない!」
「いやいやいや! オマエも喜んでいただろ!」
「いいや! おれは変態じゃない! オマエだけだ!」
と言い合って、正直見苦しかった。
全員と合流したところで、佐藤さんはすぐに近くのマッサージ屋でシャワーを借りたいと言い出して、もう警察も着いたので、朝日会長だけこの場に残って、三人でマッサージ屋への交渉へ行った。
事件は無事解決して、今度俺たち四人は警察から表彰されるらしい。