無責任な言葉に心を削られて、僕は、〝夢〟と〝色〟を失った。
 全てが無色に見えていたあの頃――。
 モノクロの世界で君は、誰よりも儚く色付いて見えた。

『いつか私の書いた小説が本になるような日がきたら、表紙の絵は千隼くんが描いてね』

 壊れた世界で必死に〝色〟を探し続けた八十八日間。
 これは、死にゆく君と色を失った僕が、世界に色を灯すまでの物語。