第9回スターツ出版文庫大賞【“アンチ青春"エンタメ部門】応募作です。

大手小説投稿サイト『ノベルマーケット！』にて、毎年開催される『ノベルマーケット大賞』。 大賞受賞者には賞金５００万円が授与され、受賞作の書籍化＆コミカライズはもちろん、 今話題のスターライト出版社にて、次年度の〝推し作家〟として華々しい活躍の場が提供されるという、創作者界隈で話題の人気コンテストだ。 ノベルマのサイトにて、今年も選び抜かれた五名の受賞候補者たちが発表された。 【ファンタジー小説部門】 フォロワー数八千人越え、元『NARERUYO』のトップランカー＆ムードメーカー。 田島　チイト（21歳） 【恋愛小説部門】 超大手企業勤務のOLで、コミュ力女子力最強！女子憧れの恋愛作家。 皇 愛莉（24歳） 【ホラー・ミステリー小説部門】 奇抜な初投稿作品で人気を掻っ攫い、何かと話題を集める孤高＆鬼才の新人。 宵町 闇（21歳） 【青春小説部門】 今、各出版社で話題＆学生に共感の超人気作を次々と生み出す、愛されキラキラ女子高生。 青木　春奈（18歳） 【エッセイ・ブログ部門】 面白おかしく日常を綴り、世のママたちから大絶賛の人気ブロガー。 日暮　セイ（26歳） SNSでも注目が集まるなか、最終選考は佳境に。 重要な決め手となる〝読者票〟（好感度や人気度によって左右される）の投票が開催される……はずだったのだが。 読者投票開始直前、公式サイトの掲示板に突如として受賞候補者たちの裏の顔が晒される。 『誹謗中傷常習者』 『パクリ魔』 『人殺しの前科もち』 『パパ活常習者』 『ランキング不正者』 果たして、受賞候補者五名の裏の顔を晒し、最終選考を引っ掻きまわしたのは誰なのか――？ ※本作品は創作界隈を舞台としていますが、登場人物たちの思考を含め、登場するサイト名や団体名等は全てフィクションです。あくまでエンタメ作品としてお楽しみください。 ※10／23 P9誤字修正

【登場人物】 ◇白根英斗（しらね えいと）
 高校二年生で、第一章の主人公。 若くして家業のラーメンチェーン「チーラボ」の経営に関わっている。恋人の栞への執着が強い。 ◆乙黒栞（おとぐろ しおり） 高校二年生で、第二章の主人公。学校でも評判の美少女で、英斗の彼女。 控えめでおとなしい性格だが、英斗には言えない秘密を抱えている。 ◆乙黒奈緒（おとぐろ なお）
 栞の母親でシングルマザー。美貌と人を引きつける魅力を持ち、「チーラボ」で秘書として高く評価されている。 英斗と栞の恋愛を応援している。 ◇白根亮（しらね りょう）
 英斗の父親で、「チーラボ」を一代で築き上げたカリスマ社長。 家庭では妻や娘との関係がうまくいっていない。 ◆蛇沼摩夜（じゃぬま まや） 
１７歳の不思議な雰囲気を持つ少年。「毒斑血症（どんはんけっしょう）」という難病を抱え、余命一年。 ホスピスで栞と出会い、親しい関係になっていくが、謎が多い。 【舞台】 ☆星囲市（ほしかこいし） 
山々に囲まれた自然豊かな盆地の街。四季折々の美しい風景が広がるが、街は寂れている。 最近、白根亮が手掛けたチーズラーメンチェーン「チーラボ」の成功で、徐々に活気が戻りつつある。 「移住支援制度」や「子どもホスピス」の設立など、地域振興の取り組みも進行中。 ★奥星囲（おくほしかこい） 
星囲市の北に位置する高原の観光地。美しい自然とさまざまなレジャーが楽しめる。 「ほしかこい牧場」では牛とのふれあいやバター作りが人気で、隣接する「スカイリゾート」では夜に満天の星空が広がる。

沢山の友達に囲まれたい。 家族から愛されたい。 しかし、そんな未来は永遠に訪れない。 現実はあまりにも残酷で、どこまでも私を苦しめる。 ＂ようこそ。醜い感情で溢れたこの世界へ＂ 何者かが私を嘲笑っているかのようだ。 君と出会ってから全てが変わってしまった。 君と出会わなければ、私は幸せになれたのだろうか。　 【Villain　意味：悪役】 彼らだって望んで悪役になったんじゃない。 それしか選択肢がなかったんだ。 彼らはただ、自分なりの幸せを望んでいるだけ。 だからこの世界に別れを告げなければ。 これ以上、罪を重ねてしまう前に―――。