「なあ、恋人同士になった記念すべき瞬間なのに、キスしねえの?」
響から挑発するように耳元で甘く囁かれてしまい、念のため卓登は確認をする。
「キスしても良いんですか?」
「卓登はしたくねえの?」
「したいです」
即答する卓登に喜んだ響が、
「オレも卓登とすっげーキスしたい」
と可愛くおねだりするように言った直後、卓登の唇と響の唇が、優しく、柔らかく触れ合った。
部屋全体が恍惚感で漂うなか、遠慮気味だったキスは次第に積極的になり、熱を帯びてきて吐息が洩れる。
卓登は響と口づけをしたままの状態で響をゆっくりマットレスへと押し倒してゆき、そのまま響の体に覆い被さる。
卓登は唇だけではなく、額、瞼の上、こめかみ、頬と、響の顔の至るところにキスの雨を降らしていく。
卓登からの惜しみ無い甘美な愛情表現に、響の口元はゆるみっぱなしだ。
響が卓登の首に両腕をまわして、さらに自分自身のほうへと卓登の体を引き寄せる。
そんな響の大胆な行動に歓喜した卓登は欲張りになった。
「あの、響先輩」
「ん?」
響は卓登とのとろけるようなキスの余韻に浸りながら、卓登の上気して赤く染まった顔をうっとりとした目つきで見上げている。
響の心はもう完全に卓登の虜になっており、陶酔しきっていた。
「キス以上のことも、して良いですか?」
いくらなんでもそれは急展開すぎないか? と微塵たりとも思えないのは、響がどうしようもないくらいに卓登に惚れ込んでいるからだ。
響も我慢できないほどに、今すぐ卓登のことが欲しくて、奥深くまで繋がりたくて、貪り合いたかった。
「つーか、オレが挿れられる側なわけ?」
「あ、嫌ですか……?」
響の顔色をうかがいながら訊いてくる卓登に、響は男としての本能と欲念を優先させる。
「そうだなあ。できたら挿れる側が良いかな」
可愛い先輩に意地悪く言われてしまえば、クールな後輩は年功序列を重んじてそれに従うしかない。
「わかりました。響先輩がそれを望むのであれば、俺は挿れられる側でも一向に構いません」
言葉ではそう言っていても、残念そうに表情を曇らせる卓登を見て、響は胃の底から沸き上がってくる笑いを堪えられずにとうとう吹き出してしまった。
「嘘だよ。冗談。そんなマジな顔すんなって」
響がイタズラっ子のように卓登の頭を軽く小突く。
「男とヤんのは初めてだから、正直ちょっと……いや、かなりビビってはいるけど、なんでかな。相手が卓登だと思うと、そんなに……というかまったく悪い気分はしない」
嬉しそうに顔をほころばせながら、茶目っ気たっぷりに言う響に卓登はますます煽られてしまい、再び響の唇と自分自身の唇を吸いつかせるように重ね合わせた。
愛する人に心奪われてしまい、どこまでも溺れる瞬間というのはまさにこういうことを言うのだろうか。
この日、幸福すぎて怖いだなんていう感情を卓登と響は生まれて初めて知った。
響から挑発するように耳元で甘く囁かれてしまい、念のため卓登は確認をする。
「キスしても良いんですか?」
「卓登はしたくねえの?」
「したいです」
即答する卓登に喜んだ響が、
「オレも卓登とすっげーキスしたい」
と可愛くおねだりするように言った直後、卓登の唇と響の唇が、優しく、柔らかく触れ合った。
部屋全体が恍惚感で漂うなか、遠慮気味だったキスは次第に積極的になり、熱を帯びてきて吐息が洩れる。
卓登は響と口づけをしたままの状態で響をゆっくりマットレスへと押し倒してゆき、そのまま響の体に覆い被さる。
卓登は唇だけではなく、額、瞼の上、こめかみ、頬と、響の顔の至るところにキスの雨を降らしていく。
卓登からの惜しみ無い甘美な愛情表現に、響の口元はゆるみっぱなしだ。
響が卓登の首に両腕をまわして、さらに自分自身のほうへと卓登の体を引き寄せる。
そんな響の大胆な行動に歓喜した卓登は欲張りになった。
「あの、響先輩」
「ん?」
響は卓登とのとろけるようなキスの余韻に浸りながら、卓登の上気して赤く染まった顔をうっとりとした目つきで見上げている。
響の心はもう完全に卓登の虜になっており、陶酔しきっていた。
「キス以上のことも、して良いですか?」
いくらなんでもそれは急展開すぎないか? と微塵たりとも思えないのは、響がどうしようもないくらいに卓登に惚れ込んでいるからだ。
響も我慢できないほどに、今すぐ卓登のことが欲しくて、奥深くまで繋がりたくて、貪り合いたかった。
「つーか、オレが挿れられる側なわけ?」
「あ、嫌ですか……?」
響の顔色をうかがいながら訊いてくる卓登に、響は男としての本能と欲念を優先させる。
「そうだなあ。できたら挿れる側が良いかな」
可愛い先輩に意地悪く言われてしまえば、クールな後輩は年功序列を重んじてそれに従うしかない。
「わかりました。響先輩がそれを望むのであれば、俺は挿れられる側でも一向に構いません」
言葉ではそう言っていても、残念そうに表情を曇らせる卓登を見て、響は胃の底から沸き上がってくる笑いを堪えられずにとうとう吹き出してしまった。
「嘘だよ。冗談。そんなマジな顔すんなって」
響がイタズラっ子のように卓登の頭を軽く小突く。
「男とヤんのは初めてだから、正直ちょっと……いや、かなりビビってはいるけど、なんでかな。相手が卓登だと思うと、そんなに……というかまったく悪い気分はしない」
嬉しそうに顔をほころばせながら、茶目っ気たっぷりに言う響に卓登はますます煽られてしまい、再び響の唇と自分自身の唇を吸いつかせるように重ね合わせた。
愛する人に心奪われてしまい、どこまでも溺れる瞬間というのはまさにこういうことを言うのだろうか。
この日、幸福すぎて怖いだなんていう感情を卓登と響は生まれて初めて知った。