小さなダイヤがあしらわれたプラチナリングを左薬指にはめて差し上げると、絢乃さんはものすごく喜んで下さった。
「……絢乃さん、実は……。僕、お父さまから一年前のクリスマスイブに頼まれていたんです。『絢乃さんのことを頼む』って。それには、生涯のパートナーとしてという意味も含まれていたんです。僕はやっとお父さまとの約束を果たすことができそうです。……こういうと、お父さまの言いなりでプロポーズをしたように思われそうですが」
「でも、貴方は貴方自身の意思でわたしとの結婚を決めたんでしょ? ホントにありがとう」
「はい。それはもちろんです」
「だったらいいの。パパのことは持ち出さないで」
結婚を決めたのはあくまでも僕たち自身だった。お父さまがお決めになったわけではなく。
* * * *
その夜、絢乃さんは僕の部屋に泊まって行かれることになった。それは僕たちにとってずっと待ち焦がれていた瞬間だった。――僕と彼女が初めて体の関係を持つという。
着替えがないというので急きょ購入したモコモコのルームウェアと真新しい下着を脱がせた時は緊張した。僕自身、女性を抱くのは美咲以来のことだったから。
丁寧に秘部を指や舌でほぐし、避妊具を着けて挿入する時、彼女は一瞬痛そうに顔をしかめておられたが、「大丈夫、続けて」と躊躇する僕を促して下さったので、僕はそのまま行為を続けた。
「……絢乃、気持ちいい?」
行為の間は名前を呼び捨てにしてタメ語で、という彼女のお願いを聞き入れた僕が耳元でそう訊ねると、彼女は喘ぎながら「うん」と頷いた。
彼女の声はやっぱり艶っぽくて、僕の脳までとろかしていった。僕に抱かれるまで、ずっと一人でこんな声を漏らされていたのだ。でも、他の男に聞かれていなくてよかった。この声はこれからも一生涯ずっと僕だけのものだ。
「絢乃さん……、僕はもう……っ」
「あぁ……っ、わたしも……っ」
大事な部分を繋げ合ったまま、僕たちは幸せな気持ちで二人同時に絶頂を迎えたのだった。
「……絢乃さん、実は……。僕、お父さまから一年前のクリスマスイブに頼まれていたんです。『絢乃さんのことを頼む』って。それには、生涯のパートナーとしてという意味も含まれていたんです。僕はやっとお父さまとの約束を果たすことができそうです。……こういうと、お父さまの言いなりでプロポーズをしたように思われそうですが」
「でも、貴方は貴方自身の意思でわたしとの結婚を決めたんでしょ? ホントにありがとう」
「はい。それはもちろんです」
「だったらいいの。パパのことは持ち出さないで」
結婚を決めたのはあくまでも僕たち自身だった。お父さまがお決めになったわけではなく。
* * * *
その夜、絢乃さんは僕の部屋に泊まって行かれることになった。それは僕たちにとってずっと待ち焦がれていた瞬間だった。――僕と彼女が初めて体の関係を持つという。
着替えがないというので急きょ購入したモコモコのルームウェアと真新しい下着を脱がせた時は緊張した。僕自身、女性を抱くのは美咲以来のことだったから。
丁寧に秘部を指や舌でほぐし、避妊具を着けて挿入する時、彼女は一瞬痛そうに顔をしかめておられたが、「大丈夫、続けて」と躊躇する僕を促して下さったので、僕はそのまま行為を続けた。
「……絢乃、気持ちいい?」
行為の間は名前を呼び捨てにしてタメ語で、という彼女のお願いを聞き入れた僕が耳元でそう訊ねると、彼女は喘ぎながら「うん」と頷いた。
彼女の声はやっぱり艶っぽくて、僕の脳までとろかしていった。僕に抱かれるまで、ずっと一人でこんな声を漏らされていたのだ。でも、他の男に聞かれていなくてよかった。この声はこれからも一生涯ずっと僕だけのものだ。
「絢乃さん……、僕はもう……っ」
「あぁ……っ、わたしも……っ」
大事な部分を繋げ合ったまま、僕たちは幸せな気持ちで二人同時に絶頂を迎えたのだった。