一方、森の手前で昼食を終えた一行は、スノーディアの話題を続けていた。

「ねえフランク。仲間に会えたらその後はどうするの?」
「ぼくは仲間のところに戻るのが目的だから、もちろん仲間に合流するよ!」
「私はスノーディアを探検だな。パット先生に負けないくらいの地図を作るために!」
「わたくしは既に就職先は見つかっておりますので♪」

 クルックスが嬉しそうに言う。
 皆が嬉しそうに語る中、黙っている真珠に気づいてフランクが聞いた。

「真珠はどうするの?」

 真珠は思った。あの無機質な病室に戻りたくはない。空色カーテンの向こうから突然現れたマッシュに連れられて、わたしはエルセトラにやって来た。元気に走り回ることだってできるし、具合だって悪くない。

 ここでの生活は摩訶不思議で飽きることもなく、マッシュ、フランク、クルックスもとても良くしてくれる。毎日が楽しい。ただ、ここは自分が生まれ育った場所ではなく、ここに自分の家族もいない。

 皆の旅もいつかは終わる。その事実だけがずっと頭の隅で声を上げようとしていた。それまではこのエルセトラで過ごしたい。

 頭の中がぐちゃぐちゃっとする。自分がどうしたいのか気持ちの整理ができずに、真珠はフランクに言った。

「わたしは、どうしようかな?」
「自分の家に帰りたくはないの?」
「うーん。……それよりも今はフランクが仲間のところに戻るのを見届けたいかな!」

 真珠はごまかすように明るく笑った。

「ぼくのために本当にありがとう!」
「お礼にはまだ早いわ! そうだ、クイーンから貰った果実を食べない?すごく気になってたんだ!」
「賛成!」

 満場一致でフランクの背中に女王の果実を取りに戻った。