それからは授業をサボってでも、なるべくハルと一緒にいた。
いままで真面目に授業を受けてきたから、少しくらいサボっても進級できる。
それと最近思いついたのは、学校から家への通学路や、公園の動画をスマホで撮って、ハルに見せることだ。
ハルは学校の外へ出られないけど、動画で見ればなにか思い出すかもしれないと思ったんだ。
「どう? 見覚えない?」
「うーん……よくわかりません」
「そっか……」
「すみません……」
「いいって、いいって。ハルは悪くない」
けれどあまり反応はよくなかった。
僕はスマホをポケットにしまうと、ハルに笑いかける。
「大丈夫。また明日も一緒に考えよう」
「でも明日から春休みです」
「もちろん明日も来るよ」
春休みになっても、毎日学校に通うつもりだ。
もうハルに、寂しい思いをさせたくなかったから。
ハルは少し戸惑うように笑って、いつものようにフェンスの向こうを眺める。
僕もその隣で、景色を眺めた。
聖亜に聞けばなにかわかるはずだけど、聖亜はずっと学校を休んでいる。
あの日の聖亜はやっぱりおかしかった。
あれから本当に具合が悪いのだろうか。
気になるけど、僕は「待つ」ことしかできない。
これ以上踏み込んだら、聖亜が壊れてしまうような気がしていたから。
いままで真面目に授業を受けてきたから、少しくらいサボっても進級できる。
それと最近思いついたのは、学校から家への通学路や、公園の動画をスマホで撮って、ハルに見せることだ。
ハルは学校の外へ出られないけど、動画で見ればなにか思い出すかもしれないと思ったんだ。
「どう? 見覚えない?」
「うーん……よくわかりません」
「そっか……」
「すみません……」
「いいって、いいって。ハルは悪くない」
けれどあまり反応はよくなかった。
僕はスマホをポケットにしまうと、ハルに笑いかける。
「大丈夫。また明日も一緒に考えよう」
「でも明日から春休みです」
「もちろん明日も来るよ」
春休みになっても、毎日学校に通うつもりだ。
もうハルに、寂しい思いをさせたくなかったから。
ハルは少し戸惑うように笑って、いつものようにフェンスの向こうを眺める。
僕もその隣で、景色を眺めた。
聖亜に聞けばなにかわかるはずだけど、聖亜はずっと学校を休んでいる。
あの日の聖亜はやっぱりおかしかった。
あれから本当に具合が悪いのだろうか。
気になるけど、僕は「待つ」ことしかできない。
これ以上踏み込んだら、聖亜が壊れてしまうような気がしていたから。