ーーーー萌香へ
高校入学して、クラスが分かれてしまったことは悲しかったけど、萌香だけじゃなくて色んな人とお話しして友達を作るチャンスだって頑張ったんだ。
せっかくお母さんに頼み込んでバイトも頑張って、高校行かせてもらって、萌香と同じところに入れたんだもん。美術部にも入ったし、前に進みたい。
って、思っていたの。
私は、自分自身が何者なのかも分からなくなっちゃった。
小さい頃からもう1人の自分がいて、辛い時はその子が代わり生活してくれて、記憶を共有してくれてた。
萌香といるとその子の力を借りずに本当の自分でいられた気がしてたんだ。
この1年、色々あった。
この病気を治すために病院に行った。
でも私には、お金がなかった。お母さんに本当のことを言ってもあの人は私に興味がないの。
もう諦めてる。あの人は私が死んでもなんとも思わないだろう。
自分で向き合わないといけない。
そんな時に、カヨラをすすめられたの。
記憶を消してくれるって。
私はこの病気が治せるって思った。
同じタイミングで私をいじめていたサラが、「お金が必要ならいい仕事がある」と紹介された。
連れて行かれたのは、病院の先生にすすめられたカヨラだった。
体を売る仕事をさせられた。
その顧客は、表に出したらすべてが終わる化け物ばかりだった。
記憶は失われたふりをしたの。
不思議なものだよね、わたしは、この病気のおかげで記憶を失わずにすんだ。
その分、闇を知った。
萌香、私ね、萌香みたいに強くなりたい。
あなたは、私を助けてくれた女神のような人です。
いつか、胸を張って生きていけるように。まあ、来世になっちゃいそうだけど。
しばらく会えてなくてごめんね、この時のために私たちはこの場所を作ったのかもしれないね。
返事、みれなかったらごめんね。
やるべきことはやってきます。
いつか、ここを開いた萌香。私のために無茶は絶対にしないでください。
大好きだよ。
ーーー広菜より