「そのことでしたら、ご事情はとある方から聞いて知っています。昔、ハーブティーを飲んでお腹の中にいたお子様を失った方がいるとか。……あの、今日は暑いですしどうぞ店に入ってください」
ミオは扉を大きく開け二人を店内に案内することに。
湿気が少ないので、日差しが遮られるだけでも随分過ごしやすくなる。
カウンター席に案内した二人によく冷えたミント水を渡すと、昨日持って行ったラズベリーリーフとセージのハーブをテーブルに置いた。
「こちらが昨日マーガレット様が飲まれたハーブ、もう一方が妊婦に影響があるハーブです。恐らくご先祖様はセージのハーブティーを飲まれたのだと思います」
サザリンは瓶を手に取り中身を覗き見る。パッと見どちらも枯れ草。だけれども形状は違う。
ミオは一通りハーブについて説明したところで切り出した。
「あの、私が聞いた話によるとサーガスト様がハーブ畑を管理されているとか」
「ええ。この近くだと村と騎士団の間にある森の中にあると聞いています。そらから、『神の気まぐれ』が住んでおられた川上にも」
「そこのハーブを採取させて頂くことはできませんか?」
唐突すぎる言い方だと自覚しつつも、サーガスト家の人間と口を聞く機会など今後ないかも知れない。ミオはこの機を流すまいと頼むことに。しかし。
「申し訳ありません、私の一存でそれはできないです。でもベニーの話やミオさんの説明を聞いてハーブが危険なものではないと理解しました。ベニーはやんちゃですが、嘘はつかないんです。少し時間がかかると思いますが、私から機会をみて兄と話をしてみます」
「ありがとうございます。実は手持ちのハーブが少なくなってきて新たに採取したいのです」
「それはお困りですね」
ミオはこくんと頷く。このままでは遅かれ早かれ店をたたまなくてはいけない。
「サザリンさん、迷惑でなければラズベリーリーフを持って帰られませんか?」
「いいんですか? さきほどハーブが残り少ないと仰っていましたが」
「これは大丈夫です。すぐそこの森にラズベリーの木があるので採取できます。ラズベリージャムも作りたいですし、よければ今から一緒に行きませんか?」
そう誘ったのは、ハーブが身近なものだと知ってもらいたいから。
ちょっと日差しが強いのが気にはなるけれど、森に入れば木陰もある。
ミオは扉を大きく開け二人を店内に案内することに。
湿気が少ないので、日差しが遮られるだけでも随分過ごしやすくなる。
カウンター席に案内した二人によく冷えたミント水を渡すと、昨日持って行ったラズベリーリーフとセージのハーブをテーブルに置いた。
「こちらが昨日マーガレット様が飲まれたハーブ、もう一方が妊婦に影響があるハーブです。恐らくご先祖様はセージのハーブティーを飲まれたのだと思います」
サザリンは瓶を手に取り中身を覗き見る。パッと見どちらも枯れ草。だけれども形状は違う。
ミオは一通りハーブについて説明したところで切り出した。
「あの、私が聞いた話によるとサーガスト様がハーブ畑を管理されているとか」
「ええ。この近くだと村と騎士団の間にある森の中にあると聞いています。そらから、『神の気まぐれ』が住んでおられた川上にも」
「そこのハーブを採取させて頂くことはできませんか?」
唐突すぎる言い方だと自覚しつつも、サーガスト家の人間と口を聞く機会など今後ないかも知れない。ミオはこの機を流すまいと頼むことに。しかし。
「申し訳ありません、私の一存でそれはできないです。でもベニーの話やミオさんの説明を聞いてハーブが危険なものではないと理解しました。ベニーはやんちゃですが、嘘はつかないんです。少し時間がかかると思いますが、私から機会をみて兄と話をしてみます」
「ありがとうございます。実は手持ちのハーブが少なくなってきて新たに採取したいのです」
「それはお困りですね」
ミオはこくんと頷く。このままでは遅かれ早かれ店をたたまなくてはいけない。
「サザリンさん、迷惑でなければラズベリーリーフを持って帰られませんか?」
「いいんですか? さきほどハーブが残り少ないと仰っていましたが」
「これは大丈夫です。すぐそこの森にラズベリーの木があるので採取できます。ラズベリージャムも作りたいですし、よければ今から一緒に行きませんか?」
そう誘ったのは、ハーブが身近なものだと知ってもらいたいから。
ちょっと日差しが強いのが気にはなるけれど、森に入れば木陰もある。



