それなら、とミオは買ってきた材料やキッチンにあるものを物色する。お洒落なお店に合うような、でもお腹も満たすもの。
「キッシュなんてどう? 耐熱皿もオーブンもあるから簡単にできると思うわ」
「えっ、でもあれパイ生地でしょ? 私には無理よ」
「大丈夫、パイ生地もどきにするから」
もどき、と復唱するリズを横目にボールを出すと、その中に小麦粉とオリーブオイルと牛乳を入れ混ぜる。すぐにまとまるので、次はそれを伸ばし耐熱皿に添わすように貼り付けると、オーブンで十五分ほど焼く。
「キッシュの器はこれでおしまい。あとは具材を作って流し入れさらにオーブンで焼く。簡単でしょう?」
「ええ、それなら私でもできそうね。ぎゅっと纏めて、ペシャンコにして焼くだけだもの」
なんだろう、失敗しそうな気がしてきた。
焼いている間に、プチトマトを半分にカットし、ハムは短冊切りに。ソーセージは五センチほどの長さに切ってこちらはカリッとフライパンで焼いておく。
それらを卵と牛乳と一緒に混ぜ、最後にチーズも入れる。これで具材も出来上がりだ。
「そうだ、せっかくだしハーブも入れてもいい?」
ミオはリュックを開けると庭から摘んできたばかりのバジルが入った瓶を取り出す。緑色の葉がぎっしり詰まったその中から五、六枚を取り出し手でちぎると、先ほどの具材にザクッと混ぜた。
タイミングよく焼けた器にゆっくりと具材を注ぎ入れ、追加で三十分じっくりと焼き上げる。
「ミオ、焼き上がるのをハーブティを飲みながら待つっていうのはどう?」
「分かった。何が飲みたい?」
買ってきたお酒の瓶を嬉しそうに棚に並べながら、それでもハーブが飲みたいと言うリズのためにミオは湯を沸かした。その口元が綻んでいることに、リズは少し安堵したのだった。
リズがマーガレットも飲んだラズベリーリーフを飲みたいというので、それを淹れることに。癖のない味は料理と一緒に飲むのピッタリだ。
キッシュが焼き上がりサクッと包丁で切り分けていると、扉についた楕円形の窓から店内を伺う人影が。ミオより先に気づいたリズが扉を開ければ、そこにはドイル隊長がいた。
「どうしたんだ?」
「いや、近くまで買い出しにきたら定休日なのに灯りが見えたから。まさか、お前の店に入る豪胆な泥棒はいないと思ったが念のため、な」
「キッシュなんてどう? 耐熱皿もオーブンもあるから簡単にできると思うわ」
「えっ、でもあれパイ生地でしょ? 私には無理よ」
「大丈夫、パイ生地もどきにするから」
もどき、と復唱するリズを横目にボールを出すと、その中に小麦粉とオリーブオイルと牛乳を入れ混ぜる。すぐにまとまるので、次はそれを伸ばし耐熱皿に添わすように貼り付けると、オーブンで十五分ほど焼く。
「キッシュの器はこれでおしまい。あとは具材を作って流し入れさらにオーブンで焼く。簡単でしょう?」
「ええ、それなら私でもできそうね。ぎゅっと纏めて、ペシャンコにして焼くだけだもの」
なんだろう、失敗しそうな気がしてきた。
焼いている間に、プチトマトを半分にカットし、ハムは短冊切りに。ソーセージは五センチほどの長さに切ってこちらはカリッとフライパンで焼いておく。
それらを卵と牛乳と一緒に混ぜ、最後にチーズも入れる。これで具材も出来上がりだ。
「そうだ、せっかくだしハーブも入れてもいい?」
ミオはリュックを開けると庭から摘んできたばかりのバジルが入った瓶を取り出す。緑色の葉がぎっしり詰まったその中から五、六枚を取り出し手でちぎると、先ほどの具材にザクッと混ぜた。
タイミングよく焼けた器にゆっくりと具材を注ぎ入れ、追加で三十分じっくりと焼き上げる。
「ミオ、焼き上がるのをハーブティを飲みながら待つっていうのはどう?」
「分かった。何が飲みたい?」
買ってきたお酒の瓶を嬉しそうに棚に並べながら、それでもハーブが飲みたいと言うリズのためにミオは湯を沸かした。その口元が綻んでいることに、リズは少し安堵したのだった。
リズがマーガレットも飲んだラズベリーリーフを飲みたいというので、それを淹れることに。癖のない味は料理と一緒に飲むのピッタリだ。
キッシュが焼き上がりサクッと包丁で切り分けていると、扉についた楕円形の窓から店内を伺う人影が。ミオより先に気づいたリズが扉を開ければ、そこにはドイル隊長がいた。
「どうしたんだ?」
「いや、近くまで買い出しにきたら定休日なのに灯りが見えたから。まさか、お前の店に入る豪胆な泥棒はいないと思ったが念のため、な」