ありがとうと受け取ったものの、ミオはお酒が殆ど飲めない。未成年(と思っている)のジークに飲ませるわけにもいかないし、ちょっと持て余していた。ちなみにこの世界の成人は十六歳だ。
「そうだ、チーズがあったはず」
チーズはリズに頼んで町で買ってきて貰っている。本当は町まで出掛けてみたいのだけれど、一人で行く勇気はないし、リズとは生活リズムが合わない。
ミオが夕食のメニューを決めると、丁度ジークが降りてきた。爽やかな笑顔で「今日は窓も拭いてみた」と言われると、恐縮するしかない。
(家事力の高いイケメン。どこに嫁に出しても恥ずかしくないわ)
ジークはミオの隣に立つと、少しワクワクした表情で手元を覗いてくる。
「それで今日の夕飯は何?」
腕まくりしながら話すので、今日も一緒に作るつもりのようだ。
「チーズフォンデュにしない? 持って来てくれた野菜が沢山あるし、チーズも数種類あるわ」
「チーズフォンデュ?」
首を傾げるジーク、どうやらこの国にはないメニューらしい。
「溶かしたチーズに茹でた野菜やソーセージをディップして食べるの」
「初めて聞いた、俺チーズ好きなんだ。ワインに合うよね。それじゃ俺は野菜を茹でるよ」
ワインに合う? 聞き捨てならない言葉にミオが僅かに反応する。
しかしジークはそんな様子に気づくはずもなく、手早く鍋に湯を沸かすとブロッコリーを切っていく。子房に分けるとさらにその茎部分まで一口ほどの大きさに切る。
「ブロッコリーって茎まで食べれるの」
「そうだよ、根本の部分は固いから厚めに皮を向いたほうがいい」
慣れた手つきを見ながら、ふと思う。
(そういえばこの世界にある野菜って私が知っているものばかり)
村から町へ野菜を売りに行く荷車を止めて売ってもらっているけれど、そこに積まれている野菜はミオが慣れ親しんだもの。しかも季節感なくカボチャやトマトと大根や白菜が一緒に積まれている。どう考えてもおかしい。
「こっちの世界で手に入る野菜って私が知っているものばかりなのだけれど、これって偶然なのかな」
「まさか、これらは全て先々代の『神の気まぐれ』がこの世界に持ち込んだものだよ」
その言葉にミオは目を丸くする。またしても出てきた、神のきまぐれ。
「ちなみに、その人は具体的に何をしたの?」
「そうだ、チーズがあったはず」
チーズはリズに頼んで町で買ってきて貰っている。本当は町まで出掛けてみたいのだけれど、一人で行く勇気はないし、リズとは生活リズムが合わない。
ミオが夕食のメニューを決めると、丁度ジークが降りてきた。爽やかな笑顔で「今日は窓も拭いてみた」と言われると、恐縮するしかない。
(家事力の高いイケメン。どこに嫁に出しても恥ずかしくないわ)
ジークはミオの隣に立つと、少しワクワクした表情で手元を覗いてくる。
「それで今日の夕飯は何?」
腕まくりしながら話すので、今日も一緒に作るつもりのようだ。
「チーズフォンデュにしない? 持って来てくれた野菜が沢山あるし、チーズも数種類あるわ」
「チーズフォンデュ?」
首を傾げるジーク、どうやらこの国にはないメニューらしい。
「溶かしたチーズに茹でた野菜やソーセージをディップして食べるの」
「初めて聞いた、俺チーズ好きなんだ。ワインに合うよね。それじゃ俺は野菜を茹でるよ」
ワインに合う? 聞き捨てならない言葉にミオが僅かに反応する。
しかしジークはそんな様子に気づくはずもなく、手早く鍋に湯を沸かすとブロッコリーを切っていく。子房に分けるとさらにその茎部分まで一口ほどの大きさに切る。
「ブロッコリーって茎まで食べれるの」
「そうだよ、根本の部分は固いから厚めに皮を向いたほうがいい」
慣れた手つきを見ながら、ふと思う。
(そういえばこの世界にある野菜って私が知っているものばかり)
村から町へ野菜を売りに行く荷車を止めて売ってもらっているけれど、そこに積まれている野菜はミオが慣れ親しんだもの。しかも季節感なくカボチャやトマトと大根や白菜が一緒に積まれている。どう考えてもおかしい。
「こっちの世界で手に入る野菜って私が知っているものばかりなのだけれど、これって偶然なのかな」
「まさか、これらは全て先々代の『神の気まぐれ』がこの世界に持ち込んだものだよ」
その言葉にミオは目を丸くする。またしても出てきた、神のきまぐれ。
「ちなみに、その人は具体的に何をしたの?」