「ミオもしてみて」
「うん」
ミオがいつものようにティーポットを揺らすと、金色の粉が浮かびあがりすぐに溶けていった。
「ね、金の粉が出たでしょ?」
ティーポットを指差せば、リズが怪訝な表情を浮かべる。
「私には見えなかったわ」
「えっ? だってキラキラしていたわよ」
こんな近くで見ていたのに、なんならもう一度淹れようか? でも、リズはその必要はないと首を振る。
「ミオの言うことを疑っているわけではないの。きっとそれはミオにしか見えないのよ」
「私にしか?」
「そう。だってミオは『神の気まぐれ』だもの」
当然とばかりにリズは頷く。
(いやいや、その一言で片付けていいの?)
「神の気まぐれ」は万能選手なのか。
(でも、もし本当にそうだとしたら、気まぐれすぎない?)
方や異世界の生活習慣を劇的に向上させたのに対し、自分は二日酔いを回復させる、差があり過ぎではないか?
「でも、そのおかげであの騎士は助かったのよ」
知らず声に出ていようだ。
リズはキッチンをゴソゴソ漁ると、ぺティナイフを取り出した。
「ちょっとナイフ借りるわよ」
「うん?」
あまりにもサラリと言われたので反射的にうなずいてしまった。何をするのかと首を傾げるミオの前で、リズは何の躊躇いもなく自分の腕を切った。しかも長さ八センチほどの深い傷。
「ひゃ!! ちょ、ちょっと、リズ、何してるの!? えーと、絆創膏、包帯!!」
「いいから、いいから。これぐらい傷のうちに入らないし」
「はい?」
ダラダラと血がでてますが?
何故そんなにも平然としているのか。
さらにリズは顔色を変えることなく、自分が淹れたティーポットを手にした。
「傷口にハーブティーをかけたのよね」
「う、うん」
まさか、と思っていると、流しの上に手をやり躊躇うことなくハーブティーをかける。
いやいや、それは淹れたてのハーブティー。
今度は火傷をする気?
「ひゃ! リズ赤くなってる! 早く冷やさなきゃ」
「うーん、しみるだけで何も起こらないわね。じゃ、次はミオのハーブティーをっと」
「だから、どうしてまたかけようとするの!!」
ミオの制止を無視すると、今度はミオが淹れたハーブティーを淡々とかけた。こいつ、痛覚がないのか?
もはや呆然とするミオだけれど、さらに言葉を失うことが。
「「傷が塞がってきた!」」
「うん」
ミオがいつものようにティーポットを揺らすと、金色の粉が浮かびあがりすぐに溶けていった。
「ね、金の粉が出たでしょ?」
ティーポットを指差せば、リズが怪訝な表情を浮かべる。
「私には見えなかったわ」
「えっ? だってキラキラしていたわよ」
こんな近くで見ていたのに、なんならもう一度淹れようか? でも、リズはその必要はないと首を振る。
「ミオの言うことを疑っているわけではないの。きっとそれはミオにしか見えないのよ」
「私にしか?」
「そう。だってミオは『神の気まぐれ』だもの」
当然とばかりにリズは頷く。
(いやいや、その一言で片付けていいの?)
「神の気まぐれ」は万能選手なのか。
(でも、もし本当にそうだとしたら、気まぐれすぎない?)
方や異世界の生活習慣を劇的に向上させたのに対し、自分は二日酔いを回復させる、差があり過ぎではないか?
「でも、そのおかげであの騎士は助かったのよ」
知らず声に出ていようだ。
リズはキッチンをゴソゴソ漁ると、ぺティナイフを取り出した。
「ちょっとナイフ借りるわよ」
「うん?」
あまりにもサラリと言われたので反射的にうなずいてしまった。何をするのかと首を傾げるミオの前で、リズは何の躊躇いもなく自分の腕を切った。しかも長さ八センチほどの深い傷。
「ひゃ!! ちょ、ちょっと、リズ、何してるの!? えーと、絆創膏、包帯!!」
「いいから、いいから。これぐらい傷のうちに入らないし」
「はい?」
ダラダラと血がでてますが?
何故そんなにも平然としているのか。
さらにリズは顔色を変えることなく、自分が淹れたティーポットを手にした。
「傷口にハーブティーをかけたのよね」
「う、うん」
まさか、と思っていると、流しの上に手をやり躊躇うことなくハーブティーをかける。
いやいや、それは淹れたてのハーブティー。
今度は火傷をする気?
「ひゃ! リズ赤くなってる! 早く冷やさなきゃ」
「うーん、しみるだけで何も起こらないわね。じゃ、次はミオのハーブティーをっと」
「だから、どうしてまたかけようとするの!!」
ミオの制止を無視すると、今度はミオが淹れたハーブティーを淡々とかけた。こいつ、痛覚がないのか?
もはや呆然とするミオだけれど、さらに言葉を失うことが。
「「傷が塞がってきた!」」