そうして私はあっという間に金曜日の同窓会に参加することが決まり、仕事中だが行く服を選んでいた。

うーん。カジュアルな服装で大丈夫らしいけど、ある程度綺麗めな服を着ていくのが妥当だよね…。
ワンピースとか、無難だけどいいかな。

 そんなことを思い、店にあるワンピースを一つずつ見ていく。お客さんには在庫管理をしているかのように。
綺麗めなワンピースなんて着る機会が無いため、選ぶのに時間がかかる。

 あ、このワンピースいいかも…。

 そう持って手に取ったのは、白を基調としてグレーの小花がほのかに散りばめられているワンピース。派手すぎす、とても綺麗だった。ふわっと広がりそうな裾はボリュームがありすぎる訳でもないため大人っぽい。普段着で着ても十分清楚系として着られそうだ。

 そうしてワンピースが決まった。あとは靴と鞄。
靴は家にあるものを合わせよう。白とグレーのこのワンピースなら、手持ちの靴でどうにかなりそうだ。問題は鞄。
 私は基本的に荷物が多いため、流行りの小さめの鞄などは持っていなかった。だが、ここはアパレルショップ。可愛らしい流行りの鞄はいくらでも置いてある。

 私生活でも使えるぐらいのデザインがいいな…。気合いが入りすぎてても変に思われそうだし。

 そんなことを考えて、小さめだが少し普段使いに便利そうなシンプルなデザインの白い鞄をチョイスした。

 うん。この組み合わせなら派手すぎず綺麗かもしれない。そう思い、店長に声をかける。

「店長、あの、服なんですけど…このワンピースと鞄で行こうと思うんですけどどうですかね。」

 アパレル店員なら自分で決めろ。と言われてしまえば何も言い返せない。けれど、あまりにも久しぶりに会う同窓会はどうしても緊張してしまうため、店長に変ではないか確認してもらいたかった。

「あら!可愛いじゃない。大人っぽいけど、美優ちゃんらしくてとっても似合ってる。鞄も派手じゃなくていいね。靴はどうするの?」

「あ、靴は家にあるパンプスでも合わせようかなって思っていて…。一応、普段使い用の黒いパンプスが1足家にあるので。」

「そう。ならそれで統一感もあるし良さそうだね。さすがうちの店員!めちゃくちゃセンスいいわよ!」

 そういって褒めてくれたのを、素直にありがとうございます、と受け取り、今日の仕事は終わった。あとは、いつも通り仕事をこなして金曜日を待つだけ。そう思っていればあっという間に金曜日になり、同窓会の日になった。