光がない闇の世界にある美しい城の一室にて
「ようやくここも落ち着いたことだし、ちょっと人間界に行ってみようと思うの」
本当は誰にも言わないつもりだったけど、あなたには伝えておかないとね。
他の子達は了承するけど、あなただけは否定して私を連れ戻しに来そうだし。
「わかりまし......え、人間界ですか⁈」
「ええ。この間ね、アポロンがお忍びで人間界に行ったらしくて、そのことをお茶会で話していたんだけど、それが楽しそうでねー」
「つまり、姫様はアポロン様の影響で、人間界に行きたいと」
「そういうこと」
さすが、ギュンダー!
長年、私の右腕として傍にいるだけあって、最後まで言わなくても通じるわ。
「姫様、人間界は危険ですぞ!それに、この国をどうするのですか?」
「この国なら大丈夫。行く前に私の分身体を置いていくから。これで、人間界に行ってもいいよね?」
「だめです」
「なんでよ」
本っ当に頭が固い。
これは、ギュンダーが折れるまでの持久戦かな。
「いいですか?姫様は闇の神様です。人間からは畏怖の象徴です。姫様が人間界に行って正体がばれたりでもすれば、人間どもはきっと姫様を倒そうとするはずです。もし、万が一、姫様が倒れるようなことがあっては......」
「もう心配し過ぎよ?こうみえても私はこの世界を作った七柱の一柱。それに、漏れ出る妖気も体内の魔力も抑えるし、体の再生も各種無効も全部無くすから、ね?」
こうすれば、魔力がある人間に見られても、誰も私のことを疑ったりしない。
どう、ギュンダー?
「......この私が姫様相手に勝つなど無理ですし、姫様が自身の意見に背いて私の意見に動くとなれば、姫様至上主義の奴らが動かないわけがありません」
これは勝ったね。
「じゃあ、私、人間界に行って来るから」
「......行ってらっしゃいませ」
私の後ろからギュンダーの降伏宣言が聞こえた。
主が部屋を出てった後、部屋ではギュンダーの呼び出しによって集まった幹部によって会議がされていた。
「姫様が人間界にお忍びで行くことになった!姫様は人間同然の姿になっている。そこで、誰が護衛として姫様を守るか決めようと思う」
「やっぱり、ここは幹部筆頭のわたくしが」
「おいおい、抜け駆けは良くないぜ」
「そうだぞ、我にもやらせよ」
「待て。お前らまでいなくなったらこの国はどうするのだ?」
「「確かに」」
「そういうわけで、幹部や兵士を除いた中で姫様の護衛を志願した者の中から一番強い者が姫様の護衛になるのはどうだ?」
「ふーん、まあボク達よりは弱いけど、それなりの腕はたつよね?」
「姫様が治める国に雑魚なんていないわよ」
「そうだぞ。全くお前は心配しすぎだ」
「早速、我がこのことを知らせに行って来るわ」
「じゃあ、わたくし達は大会の準備をしてきましょう」
「そうだね」
一気に幹部がいなくなった部屋にてギュンダーは旅に出る主を見送るために部屋を出て行った。
妖気や能力を消して、ローブを被った姿で城から出ると、ギュンダーが待っていた。
「よくわかったわね」
「姫様のことは一番分かっていますから。人間界まで転移しましょう。その魔力では転移も難しいでしょう?」
いつもの姿では能力と妖気は消せるけど、魔力が多すぎて上手く消せなかったのよね。
あのままだと異常な魔力量を持つ人間として注目が浴びちゃって、正体がばれやすくなっちゃう。
そうなったら、気楽に人間界を過ごせない!
ということで、魔力の大半をここに置いていく分身体に渡して、今の私は転移魔法もできないくらい魔力が少ない。
なんだったら、見た目も変えてかなり幼くしている。
「やろうと思えばできるわよ?」
魔力がなくても、それができちゃうのよね~、ギュンダー。
魔法はイメージの世界。
転移魔法は私がイメージできちゃうから、魔力が足りなくても無理やりすることは可能!
その後、どうなるのかは分からないけど......。
「姫様に無理はさせません。では行きますよ」
私の下に様々な文字が書かれた魔法陣が現れる。
これで、人間界に行ける!
何があるんだろう?
楽しみね。
期待に胸を膨らませながら、青白い光に包み込まれた。
「ようやくここも落ち着いたことだし、ちょっと人間界に行ってみようと思うの」
本当は誰にも言わないつもりだったけど、あなたには伝えておかないとね。
他の子達は了承するけど、あなただけは否定して私を連れ戻しに来そうだし。
「わかりまし......え、人間界ですか⁈」
「ええ。この間ね、アポロンがお忍びで人間界に行ったらしくて、そのことをお茶会で話していたんだけど、それが楽しそうでねー」
「つまり、姫様はアポロン様の影響で、人間界に行きたいと」
「そういうこと」
さすが、ギュンダー!
長年、私の右腕として傍にいるだけあって、最後まで言わなくても通じるわ。
「姫様、人間界は危険ですぞ!それに、この国をどうするのですか?」
「この国なら大丈夫。行く前に私の分身体を置いていくから。これで、人間界に行ってもいいよね?」
「だめです」
「なんでよ」
本っ当に頭が固い。
これは、ギュンダーが折れるまでの持久戦かな。
「いいですか?姫様は闇の神様です。人間からは畏怖の象徴です。姫様が人間界に行って正体がばれたりでもすれば、人間どもはきっと姫様を倒そうとするはずです。もし、万が一、姫様が倒れるようなことがあっては......」
「もう心配し過ぎよ?こうみえても私はこの世界を作った七柱の一柱。それに、漏れ出る妖気も体内の魔力も抑えるし、体の再生も各種無効も全部無くすから、ね?」
こうすれば、魔力がある人間に見られても、誰も私のことを疑ったりしない。
どう、ギュンダー?
「......この私が姫様相手に勝つなど無理ですし、姫様が自身の意見に背いて私の意見に動くとなれば、姫様至上主義の奴らが動かないわけがありません」
これは勝ったね。
「じゃあ、私、人間界に行って来るから」
「......行ってらっしゃいませ」
私の後ろからギュンダーの降伏宣言が聞こえた。
主が部屋を出てった後、部屋ではギュンダーの呼び出しによって集まった幹部によって会議がされていた。
「姫様が人間界にお忍びで行くことになった!姫様は人間同然の姿になっている。そこで、誰が護衛として姫様を守るか決めようと思う」
「やっぱり、ここは幹部筆頭のわたくしが」
「おいおい、抜け駆けは良くないぜ」
「そうだぞ、我にもやらせよ」
「待て。お前らまでいなくなったらこの国はどうするのだ?」
「「確かに」」
「そういうわけで、幹部や兵士を除いた中で姫様の護衛を志願した者の中から一番強い者が姫様の護衛になるのはどうだ?」
「ふーん、まあボク達よりは弱いけど、それなりの腕はたつよね?」
「姫様が治める国に雑魚なんていないわよ」
「そうだぞ。全くお前は心配しすぎだ」
「早速、我がこのことを知らせに行って来るわ」
「じゃあ、わたくし達は大会の準備をしてきましょう」
「そうだね」
一気に幹部がいなくなった部屋にてギュンダーは旅に出る主を見送るために部屋を出て行った。
妖気や能力を消して、ローブを被った姿で城から出ると、ギュンダーが待っていた。
「よくわかったわね」
「姫様のことは一番分かっていますから。人間界まで転移しましょう。その魔力では転移も難しいでしょう?」
いつもの姿では能力と妖気は消せるけど、魔力が多すぎて上手く消せなかったのよね。
あのままだと異常な魔力量を持つ人間として注目が浴びちゃって、正体がばれやすくなっちゃう。
そうなったら、気楽に人間界を過ごせない!
ということで、魔力の大半をここに置いていく分身体に渡して、今の私は転移魔法もできないくらい魔力が少ない。
なんだったら、見た目も変えてかなり幼くしている。
「やろうと思えばできるわよ?」
魔力がなくても、それができちゃうのよね~、ギュンダー。
魔法はイメージの世界。
転移魔法は私がイメージできちゃうから、魔力が足りなくても無理やりすることは可能!
その後、どうなるのかは分からないけど......。
「姫様に無理はさせません。では行きますよ」
私の下に様々な文字が書かれた魔法陣が現れる。
これで、人間界に行ける!
何があるんだろう?
楽しみね。
期待に胸を膨らませながら、青白い光に包み込まれた。