「たしかに、なんか関係性が増えた感じするよな。
でも、全然悪い気がしなくて、むしろ心地いい感じ。」

「ふふ、やっぱり思うことは同じなんだね。」

「お前が決めたこと、俺は全力で応援するから。
ゆっくりでいい。負けてもいい。泣いてもいい。そうしたら、俺がまたお前のこと前向かせてやるから。
人が怖くても、それは俺もおなじ。2人で乗り越えていこう。」

「うん、2人で、辛いことがあっても乗り越えようね。それで、2人で夢、叶えよう。
今度かなたの夢もちゃんと教えてよね。」

「もちろん、今はまだ秘密にしておきたいんだ。だから、叶えたらちゃんと教える。それまで待ってて。」

「うん、分かった。楽しみに待ってる。」

「で、お互い夢叶えた時は昨日の打ち上げ花火をあげよう!2人で夢叶えて、あいつらに報告して、今度こそ5人で見よう。」

そう言ったかなたの目は真剣で、未来への明るい希望を見据えているように見えた。

「それ天才!絶対、2人で夢、叶えようね。
それで打ち上げ花火、盛大に打ち上げよ!」

2人で思ったことを伝え合い、笑いあった。
これはきっと、2人で歩き出した大切な人生の道の大きな一歩。


かなたは、私にとって本当に大切だ。
家族でも恋人でもない幼馴染。
でも、それはただの幼馴染ではなく、特別な幼馴染。
きっとこの関係に名前をつけることは難しいだろう。
出来ないだろう。
けれど、そんな名前の付けられない関係をかなたと築けたことが嬉しく、それでいいと思えた。
そのぐらい、大切な相手なのだから。

この先辛いことがあっても、乗り越えられないと後ろを向いてしまったとしても、きっとかなたが私の心を前に向かせてくれるだろう。
歩けなくなったら、一緒に歩幅を合わせて歩いてくれるだろう。
だから大丈夫。
今まで無かった安心感を得て、少しだけ強くなった気がした。いや、強くなった、強くなる。
これからも、かなたと一緒に。