「おかえり、紫桜。久しぶりにかなたくんたちと遊んでどうだった？」

母は私の顔色を見て、少し嬉しそうな顔をしながら私の口から出る言葉を待った。

「うん、久しぶりにみんなに会えて遊んで、すっごく楽しかった。沢山笑って沢山はしゃいだよ。」

母を安心させたくて放った言葉。
でもそれは嘘の言葉ではなく、心の奥底から本当に思っている言葉。

「そっか、なら良かった。お風呂とか入っちゃいなね。私とお父さんはもう寝ちゃうから、紫桜も早く寝なさいね。」

いつも通りの会話をして、母との話は終わった。
けれど、母の顔は明らかに嬉しそうで、私まで嬉しくなった。

お母さん、嬉しそうな顔してくれて良かった。
そのぐらい、今までの私は笑えていなかったって事だよね…。心配かけちゃってたよね。
でも、これからは大丈夫だから。
私、頑張るからね。

心の中の母に話しかけた。
いつか、この言葉をきちんと伝えられる日が来るといいな、と思いながら。