当日、かなたが家に迎えに来た。

「久しぶり。体調どうよ。」

いつも通りのかなたがそこに居た。
残念ながら、私は気分も体調もどん底なわけだけれど。

「全く良くない。けどせっかく声掛けてくれたから。」

みんながいる前では、さすがにここまでストレートには言えないのでかなたにだけはそのまま思っていることを伝えた。

「そっか。それならまぁそれでいいよ。お前なりに楽しんでも楽しまなくても、みんなはお前が来るの楽しみにしてるからさ。」

私の無機質な返答に少し笑いながらも、かなたはそう言ってくれた。

そういう所が、一緒に居て楽なんだよな。

ふとそう思いながら、かなたと2人で集合場所へと向かった。
その間かなたはずっと、私の歩く速度に合わせながら歩いてくれた。

「ごめんちょっと遅れたわ。こいつ歩くの遅くてさ。」
集合場所に着いて、かなたが発した第一声はこれだった。

「ねぇ、嘘つかないでよ。そもそもかなたが私の家に来るのが遅かったから遅れたんでしょ?私のせいにしないで。」

全く、遅刻を人のせいするなんてとんでもないやつだ。
…たしかに私がとぼとぼと歩いていたせいもあるが。

「紫桜ちゃん久しぶり〜!相変わらずかなたと息ぴったりで安心したよ。」

友人の1人が気さくに声をかけてくれた。
この子はいつも明るい。みほといった。
中学時代、かなたと部活動が同じで意気投合したのがきっかけで、気が付いたら私まで一緒にたまに出かける仲にまでなった。
それでもまだ本心は出し切れていないのだけれど。