そして、当たり障りのない生活をしていく中で、私の心身は本当に少しずつだが回復していった。
少し良くなって、また元に戻って。悪化して。
非常に不安定な体調と戦う毎日が続いた。
正直、もっと早く元気になれると思っていたが、自分の体を履き違えていたようだ。

そんな私の充実してるとはとても言い難い高校生活も、あっという間に終わりを迎える時期がきた。

周りは進学したい大学への受験勉強を本格的に始めていた。

私はそれを見ないようにしていた。
見てしまえば、自分の無力さに打ちひしがれ、とてつもない焦燥感に駆られることが目に見えてわかっていたからだ。
だから、見ないように、見えない振りを必死でした。

しかし、実際問題自分の将来は決めなければならなかった。

それもまた苦痛だった。

やりたいことはあった。
小さい頃から人の役に立つ仕事がしたかった。
自分が病気だと分かったときも、それは強い願望へと変わった。
自分のように、苦しんでいる人の助けになりたい。
そう本気で願った。

だが、現実はそう甘くなかった。
やりたいこと、したいことができる人間は限られているとこの身をもって知ったからである。

人の役に立つ仕事がしたいと心から願う中、実際は自分が人に助けてもらっているからこそ今生きていられているという現実。
そんな人間が到底人の役に立つ仕事に就けるとは思えなかった。
そうしてまた心を押しつぶされた。

私の心は潰されまくり、原型を留めていないほどぐちゃぐちゃだった。