そう思ったが、今はかなたへ心配をかけたくなかったためすぐに表情を戻した。

「そっか、ありがとう。かなたがそう言ってくれると少し心が軽くなるや。」

今、私はちゃんと笑えているんだろうか。
笑っているつもりだけど、かなたにバレていないだろうか。

「…そっか。それなら、良かったよ。」

かなたは、歯切れが悪そうにそう言った。

バレちゃった、かな…。

もしバレていたとしても、それ以上何も口にしないかなたへこう言った。

「今日学校だったんでしょ?なんか良いもの貰っちゃったし、今日はもう帰りなよ。寄り道して疲れてるだろうし。」

今できる精一杯の平然を装ってそう言った。
いつも通り、いつも通りの自分を演じる。

「…分かった、今日は帰るよ。」

かなたが少し悔しそうな顔をしたのは、きっと私の勘違いだろう。

「じゃあね。また今度。」

お互いにそう言葉を交わし、かなたは帰っていった。

私は、部屋に戻りかなたに言われた言葉を考えていた。