ご飯を食べ終えてから、携帯で琥珀糖について調べてみた。
寒天に砂糖と色素を加え、乾燥させて固めた和菓子と書いてあった。
色とりどりの琥珀糖の写真が出てくる。四角のものが多いけれど、石みたいに不規則な形のものや、星や桜など可愛らしい形のもあった。
小さい頃、ゲームセンターにあるプラスチックの宝石を取るクレーンゲームにハマっていたのを思い出す。集めていたはずなのに、いつの間にか見当たらなくなった安っぽい宝石。
どんな味がするんだろう。
ベッドに仰向けになってスマホを見ているうちにまぶたが重くなってきて、目を閉じた。
明日、高梁さんに聞いてみようか。
それくらいなら聞けるかもしれない。
今日みたいに、授業中に手紙で。
明日のことを考えるのも、誰かと話すことを考えるのも、全部、久しぶりだった。
声に出さなくたっていい。
文字だけでよかった。
誰かと関わりを持つこと。
それが明日もあるかもしれないこと。
高梁さんはあの教室でただ一人、僕を透明人間じゃなく、普通のクラスメイトとして接してくれた。
なんでもないようなことかもしれないけれど。
それだけで、僕にとっては特別な出来事だったのだ。