夜空を泳ぐ幾千の鳥 それは希望を乗せた星
 君にそっと降り注ぐ 奇跡を詰め込んだ翼を広げて 連れ出してくれる
 光の先へ 明日の未来へ
 だから信じて 手を伸ばして
 この手を離さないから きっとずっと


 どうか、この想いが宮凪くんへ届きますように。
 私は祈りながら、柔らかいベッドの中で眠りについた。

 イベント実行日当日。紙袋を手に提げて、病室の前で一度呼吸を整える。もう来ないと言ったくせに、こんな物まで用意して、本当に大丈夫なのだろうか。
 ここへ来る直前までは、きっと喜んでくれるはずだと前向きな気持ちだった。いざとなると、不安でしかない。
 私のして来たことは、間違いではなかったのか。ただの自己満足になっているんじゃないかって。
 迷いながらもノックをする。反応がないことに怖くなって、そっとドアを開けた。

 水色のカーテンの向こうには、静かに寝息を立てる懐かしい顔がある。寝ているだけで、よかった。
 ホッとした反面、心臓がどくんと揺れる。首筋や細い手首のあたりに、青い光が出ていた。骨張った指は、もっとがっちりしていたようにも思う。
 それが何を意味するかまでは分からないけど、良い兆しではないだろう。

 起こさないよう紙袋から百羽鶴を出して、飾る場所を探す。点滴のスタンドより、電気の方がいいかな。
 見渡していると、壁にフックのようなものを見つけた。ちょうどいいと、リボンの輪を引っかけようとした時。

「……なに、してんの?」