その言葉を聞いた時、声を殺して泣いた。

申し訳なくて、やるせなくて、自分が無力過ぎて。

瞳のことを言ってしまえば楽になることは分かっていた。

この優しい家族は気味悪がらず受け入れてくれるだろう。

でも、それでも、どうしても出来なかった。

助けて、の四文字が言えなかった。


「…私たちはずっと待っているよ。成長したフェリが見られることを信じて」

父が踵を返してドアの前から去る気配がしたとき、走って近づいて来る足音が二つ。

「父上!」

「父上もフェリに会いに来たのですか?」