周りは天才だ何だと騒いでいたが、気にも留めなかった。

自分の異様さは自分が一番理解していたから。

とにかく早くこの瞳の力から解放されたかった。

一年半をかけて公爵家にあるものはすべて読破したが何も手掛かりはなかった。

それならばと、近くの図書館に連れて行ってと両親にせがんだ。


ーーでもこれが間違いだった。

外には人が大勢いる。

という事は、それだけ人の死が存在するという事。

街に出た途端、大勢の人の死の映像が一気に流れ込んできた私は気絶してしまった。