「予定よりも一時間早い電車に乗ったから、もう海凪高校前駅についたよ」
《マジ? 私は、もう少ししたら家を出る予定だったんだけど……。六花が早くつきそうなら、私も早めに会場に向かおうか?》
「あー、いいよいいよ。私もこっちに帰ってくるの久しぶりだし、ちょっと寄り道していこうかなって思ってるから」
曖昧に笑うと、智恵理は少しだけ沈黙してから《わかった》と、やっぱり元気のない声で答えた。
「会場の場所は、昨日の夜にグループメッセージで送られてきたところであってるよね?」
《うん。念のため、連絡くれた大夢にも個人的にメッセして確認したけど、場所も時間も昨日の夜に送った内容で間違いないって》
――間違いない。
それは、これから私たちが参列予定の、〝彼の通夜〟の詳細についてだということは、わかっている。
だけど私は、彼は〝間違いなく〟もうこの世にはいないのだと告げられたように感じて、胸が苦しくなった。