「どうせなら、みんなで一緒に見学に行ったほうが楽しいと思うんだよね!」

「ハァ……。一緒に見学とかあり得ないだろ」


嬉々とした智恵理の提案を、優吾くんの冷たい声が一蹴した。

二度目なのに、一度目のときと同じようにヒヤリとした私は、背中に嫌な汗をかいた。

智恵理も驚いた様子で、口をぽかんと開けている。


「あのさ、マネージャーって、めちゃくちゃ大変なのわかってて入部希望出すんだよな?」

「お、おい、優吾。そんな言い方――」

「もしも男目当てとかだったら、マジで迷惑だから。やる気のないマネージャーとか、普通に無理だし」


きっぱりと言い切った高槻くんは席を立つと、ひとりで教室を出ていってしまった。

一度目のときと、セリフも行動もまったく同じだ。

私はある意味感動を覚えたけれど、残された私たち三人の間に流れる空気は重かった。


「えっと……。あー……なんか、優吾が感じ悪くてマジでごめんね」


続く流れも一度目のときと同じだった。

気まずそうに智恵理と私に謝った大夢くんが、高槻くんを追いかけて教室を出ていった。