「あー、うん。俺ら同中で、中学のときもバスケ部だったんだ。で、そっちは……って、ええと、ごめん。名前聞いていい?」

「私は、河野智恵理! それでこの子は、滝瀬六花だよ!」

「オッケー。智恵理ちゃんに、六花ちゃんね。俺は深田大夢。同じクラスに深田って苗字のやつがもうひとりいるし、俺のことは大夢って気軽に呼んで。それで……こいつは、高槻優吾」


大夢くんに紹介された高槻くんは、素っ気ないながらも「どうも」と言って、会釈してくれた。

その感じが懐かしくて、私はまた内心ドキドキしてしまった。

コミュニケーションおばけな大夢くんと、基本的にクールな高槻くんが仲良しなのを、高校生活二周目の今回も不思議に思った。


「大夢くんに、優吾くんね。これからよろしく~。ねぇねぇ、それでさ。うちらも今、男バスのマネージャーをやりたいねって話してたんだ」


大夢くんと同じくコミュ力が高い智恵理が、嬉しそうに話を続けた。

だけど智恵理のその言葉を聞いた私は、あることを思い出して肝を冷やした。


「ふたり、さっきバスケ部の見学に行こうかって話してたよね? それ、うちらも一緒に行っていい?」

「ち、智恵理――…!」


慌てて止めに入ったけど、あと一歩届かず、時すでに遅しだった。

一度目のときの、このあとの流れが脳裏をよぎる。

恐る恐る優吾くんに視線を向けると、案の定、優吾くんの顔が引きつっていた。