どのパーツも整っている上に、人をすぐに魅了してしまいそうなくらいのダダ漏れな色気。
絶世の美男と言われても納得するくらい整った人がそこにいた。
「平気」
声もいいなぁ……
思わずうっとりしてしまった。
そんな自分に気づいて呆れる。
もう何を考えてるの……
「本当に平気ですか?顔色が悪いですけど……」
気を取り直して、聞くと……
「じゃあ、血をくれる?」
「えっ、血……?」
意外なものをくれと言われて、驚いてしまった。
あれ、待って……
血を欲しがるってことは……
「も、もしかして、吸血鬼さんですか?」
「そうだけど」
や、やっぱり……
まさかの吸血鬼だったなんて……
「俺が怖いんでしょ?だったら、俺から離れた方がいい。満月の夜は吸血欲が異様に高まるから」
無理やりにでも血を吸おうとするのかと思ったけど、私を気遣う言葉で驚いた。