「イケメンならいいんだね」


「もちろん!イケメンは正義だから!」


理乃ちゃんのイケメン好きは相変わらず。


意外と面食いなんだよね。


「月だって、そう思うでしょ?」


「うーん、私は思わないかな。イケメンだとしても、血を吸われるのは怖いから」


吸血鬼は怖い。


そうインプットされてしまってる。


あんなニュースを毎回見ていたら、そう思っちゃうよ。


「まぁ、確かに怖いけど。イケメンなら、何でも許されるよねー!」


理乃ちゃんはブレない強さがある。


何だか羨ましいなぁ……


「まっ、吸血鬼に逢ったことないから分からないけど!やっぱ怖いって感じるのかな?」


「私は怖いよ。だから、逢いたいとも思わないかな」


「ニュースで見る時の顔は確かに怖いね!でも、普通の時は分からないでしょ!」


理乃ちゃんは明君と光莉ちゃんに少し似てるなぁ……


でも、理乃ちゃん達みたいに思う人はきっと少ないよ……


「もう朝礼が始まるから、席について」


その時、担任の先生が入ってきて、皆が動き出した。


全員座ると、満足そうに頷く。