「だって、ちょいちょい二人で会ってるんだろ? 俺は皐月と二人で出かけたことなんてないし、その皐月がろくでもない男をふっきったって言うなら、それはお前の努力のたまものなんじゃないか?」

 真ん丸な目をした諒に、陽介はにやりと笑う。



「あいつだって、お前のこと憎からず思ってるからこそ、一緒に出かけてるんだとと思うけどな」

 ろくでもない男にそう言われて、諒はわずかに笑んだ。

「そうか。そうかなあ」

「おう。で、なんでまた急にそれを俺に?」

「うん、そろそろちゃんと告白しようと思って」

「いいんじゃないか?」

「で、お前には事前に言っておきたかった」

「そっか。ありがと」

 にこりと笑うと、陽介はコーヒーを飲んだ。



「お前らがつきあうとなると、なかなか三人では出かけにくくなるな」

「そうでもないだろ。今までと、そんなにペースは変わらないと思うぞ」

「さすがに、俺だってそこは気をつかうよ」

 鈍感だったという事実が、陽介はかなり気になっているようだった。