ようするに男色なのだなと香蘭は理解した。といっても、蘭朱は生まれついての男色家という男性もたびたび魅了していたのであまり信用できないのだが……今は置いておくことにする。
「では、なんのために私を呼んだのです?」
「仕事を頼みたいからだ」
「仕事?」
オウム返しに聞き返した香蘭に、焔幽は彼らしい端的な説明を加えた。
「お前に俺の側近になってほしいのだ」
「先日、雪紗宮でお見かけした彼、あの方がご側近では?」
夏飛を思い浮かべながら香蘭は聞く。飄々とした男だが彼はおそらく優秀だ。香蘭はそういうオーラを読むのに長けているので自信はある。
「夏飛は有能だが、任せている仕事が多すぎてこれ以上は無理だ。新しい仕事に適任の側近を採用したい」
詳しく聞いてみたところ、新しい仕事とは皇后および三貴人の選定らしい。
「たった今、私を案内したくださった秀由さまがいらっしゃるじゃないですか。それは彼らの仕事です。他人の役目を奪うようなマネ、私はしたくありません」
香蘭は正論で突っぱねるが、焔幽もめげない。
「秀由は女人の価値を肌の柔らかさと声の愛らしさだけで決めようとする。それは困るのだ」
「まぁ、たしかに。それはどうかと思いますね」
顎に手を当て、香蘭は軽くうなずく。
「では、なんのために私を呼んだのです?」
「仕事を頼みたいからだ」
「仕事?」
オウム返しに聞き返した香蘭に、焔幽は彼らしい端的な説明を加えた。
「お前に俺の側近になってほしいのだ」
「先日、雪紗宮でお見かけした彼、あの方がご側近では?」
夏飛を思い浮かべながら香蘭は聞く。飄々とした男だが彼はおそらく優秀だ。香蘭はそういうオーラを読むのに長けているので自信はある。
「夏飛は有能だが、任せている仕事が多すぎてこれ以上は無理だ。新しい仕事に適任の側近を採用したい」
詳しく聞いてみたところ、新しい仕事とは皇后および三貴人の選定らしい。
「たった今、私を案内したくださった秀由さまがいらっしゃるじゃないですか。それは彼らの仕事です。他人の役目を奪うようなマネ、私はしたくありません」
香蘭は正論で突っぱねるが、焔幽もめげない。
「秀由は女人の価値を肌の柔らかさと声の愛らしさだけで決めようとする。それは困るのだ」
「まぁ、たしかに。それはどうかと思いますね」
顎に手を当て、香蘭は軽くうなずく。