頭を抱えて朱雀宮へ帰ろうとしていたところ、陛下の閨管理担当の秀由に出くわした。
「おや、蘭楊どの」
「秀由さん。なんだか久しぶりですね」
いつも口をへの字にしていた彼が今日は珍しくご機嫌だ。鼻歌を口ずさんでいる。
「なにかいいことでも?」
「そりゃあ、もう! 心から喜ばしいことですよ」
ものすごく聞いてほしそうな顔をしているので、そのとおりにした。
「なにがあったんですか?」
グフフと気味悪いほどの満面の笑みを向けられる。
「陛下が皇后をお決めになったそうで!」
「へ?」
間の抜けた声が出た。そんな話はいっさい聞いていない。香蘭は彼にまだなにも伝えてはいない。つまり焔幽が自分で決めたということだろうか。
「誰ですか?」
「おや、蘭楊どの」
「秀由さん。なんだか久しぶりですね」
いつも口をへの字にしていた彼が今日は珍しくご機嫌だ。鼻歌を口ずさんでいる。
「なにかいいことでも?」
「そりゃあ、もう! 心から喜ばしいことですよ」
ものすごく聞いてほしそうな顔をしているので、そのとおりにした。
「なにがあったんですか?」
グフフと気味悪いほどの満面の笑みを向けられる。
「陛下が皇后をお決めになったそうで!」
「へ?」
間の抜けた声が出た。そんな話はいっさい聞いていない。香蘭は彼にまだなにも伝えてはいない。つまり焔幽が自分で決めたということだろうか。
「誰ですか?」