次は瑠璃妃、玻璃妃。双子の景姉妹のもとへ向かう。今日もふたりそろって仲良くお茶をしている。
(月見の宴のあと、仲がこじれないかと心配しましたが杞憂だったようですね)
うっすらと性悪な香蘭はついついひねくれた物の見方をしてしまうが、世の中には美しい愛もたしかに存在するようだ。
「あの、今さらで言いにくいのですが……」
そう切り出したのは妹の柳花だ。
「私たちと陛下とは親戚でしょう。正直、夫婦となることがピンとこないのです。私は桃花が心配でついてきただけですし」
意外な切り口で攻められた。
(皇后どうこうではなく、陛下の妻になるのが嫌。なんと斬新な回答!)
姉の桃花は予想どおりの答えをくれた。
「私は殿方が大好きですが、好きじゃないのですよ! わかってくださいますか、この違いを」
できれば理解できないと答えたいが、言いたいことはよくわかってしまった。つまり、女である自分を愛する殿方は受け入れられないと主張したいのだろう。
(景姉妹はダメそうですね)
香蘭は肩を落として、最後のひとりである瑪瑙妃、美芳に会う。
「……どうでもいいです。蘭楊さまのお好きに」
顔色ひとつ変えずに告げて、彼女はすぐさま香蘭に背を向けた。
(好きに決めていい。では、消去法で美芳さま? いえいえ、皇后が消去法だなんて!)
(月見の宴のあと、仲がこじれないかと心配しましたが杞憂だったようですね)
うっすらと性悪な香蘭はついついひねくれた物の見方をしてしまうが、世の中には美しい愛もたしかに存在するようだ。
「あの、今さらで言いにくいのですが……」
そう切り出したのは妹の柳花だ。
「私たちと陛下とは親戚でしょう。正直、夫婦となることがピンとこないのです。私は桃花が心配でついてきただけですし」
意外な切り口で攻められた。
(皇后どうこうではなく、陛下の妻になるのが嫌。なんと斬新な回答!)
姉の桃花は予想どおりの答えをくれた。
「私は殿方が大好きですが、好きじゃないのですよ! わかってくださいますか、この違いを」
できれば理解できないと答えたいが、言いたいことはよくわかってしまった。つまり、女である自分を愛する殿方は受け入れられないと主張したいのだろう。
(景姉妹はダメそうですね)
香蘭は肩を落として、最後のひとりである瑪瑙妃、美芳に会う。
「……どうでもいいです。蘭楊さまのお好きに」
顔色ひとつ変えずに告げて、彼女はすぐさま香蘭に背を向けた。
(好きに決めていい。では、消去法で美芳さま? いえいえ、皇后が消去法だなんて!)