これからもずっと生きていたい……という言葉を必ず莉桜に言わせると決意して数日が経った。
 決意したは良いものの、正直なところ方法について全く心当たりがない。そんな中でようやく絞り出した一つの案。


「莉桜、どこかの部活に入ってみないか?」


 何か夢中になって取り組めるものを見つければ、生き続けることに価値を見出せるようになるかもしれない。それから、莉桜はもう少し交友関係を広げてみる必要もあるだろう。
 部活動はその両方を叶えられると考えたわけである。


「部活ねえ。そういえばこの学校ってすごく部活の種類豊富だよね」


 莉桜はそう呟きながら、スマホで学校の公式ホームページを検索し始めた。
 そう。僕らの高校の特徴として、県内有数の進学校であるということと、大学のサークル並みに部活の種類が多いということが挙げられる。

 五人以上のメンバーと顧問さえ確保すれば部活動として登録でき、さらに兼部も可能であるため、毎年新しい部活が増えている。


「茶道部、写真部、放送部……このへんはわかるけど、ディベート部とかオカルト部とかはちょっと珍しいね。おお、占い研究部なんてのもある。面白そうじゃん」

「意外だな、占いなんて信じるのか」

「ううん全然信じないよ。一番許せないのは血液型占いだね。……佑馬を見てみなよ、明るくておおらかなはずのO型なのに、一ミリもその要素見当たらないじゃん」

「否定はしないがそこそこ失礼だな」

「まあ、真面目で几帳面な私がA型なのは当たってるけど」

「結局信じてるじゃないか」


 あれでもないこれでもない……と部活の活動内容を吟味して言っていた莉桜は、やがて顔を上げて、とても良い笑顔を浮かべた。
 その笑顔で何となく察した。


「私、文芸部の見学したいなあ」


「……そう言うような気がしたよ」