大切な人のそばにいるのに、理由なんていらない。

 ただ、隣にいる。
 それだけでいいんだ。

 そう気付かせてくれたのは、あいつだった。
 目を背けられないほど鮮明に熱烈に、それは俺の胸に刻み込まれた。

 暑さが猛威を振るう夏、真っ只中のこと。

 忘れられない夏が、俺を待っていた――――……