「すみません遅れました!」
解熱剤を貰って自室へと戻るとお翠さんがベットで寝ているのが確認できた。
「時雨様、どちらにいってらしたんですか⁈」
「いつもお世話になっている知り合いの方から解熱剤を貰ってきました」
お香さんはお翠さんの額に冷たいタオルを乗せる。
側まで行くと解熱剤を机上へと置く。
「知り合いの方?それは一体どなたなんですか?」
「あー…」
しまった。
あれから詳しい経由を話そうにもつい先延ばしにしてしまってた。日中に出歩いていることに疑問を抱かせてしまっているのも無理はない。
「…また今度、お翠さんが元気になった時に話しますね」
ーーコンコン!
「失礼致します。申し訳ございません時雨様。お香をお借りしても?」
ノック音と共に中に入ってきたのは使用人の方だった。
「私に用ですか?」
「今日は月に一度の代表者達による定例会議ですよ。まさか忘れていたの?」
「そうだった!あ、でも」
お香さんは困ったように行くのをためらう。
「大丈夫ですよ。後は私が引き継ぎますから」
「え、しかし」
「これぐらいは私、一人にでも出来ますから。なので構わず行って下さい」
「…分かりました。何か御座いましたら直ぐに他の者にお声掛け下さいね!」
絶対ですよとお香さんは何度も強く後押しすれば部屋を出ていった。
代表者達による定例会議か。
ん?ということはお香さんって結構、立場的には偉いってことでは??
「うぅ…」
「お翠さん!私の声が聞こえますか⁉」
呻き声を聞こえれば私は必死にお翠さんへ呼び掛けた。
彼女はそんな私の声に反応するかのようにして重い瞼をゆっくりと開けた。
朦朧とする意識の中、私の姿を視界に捉えると火照った顔で睨みつけてくる。
「な、なんで…。なんでアンタが居んのよ」
「お翠さん…良かった」
熱はあれどまともに話せている。
そんな姿に私はホッと一安心する。
「というか仕事に…。仕事に戻ら…ないと」
お翠さんはよろよろしながらベットから身を起こすと部屋を出ていこうとする。
慌てたのは私の方だ。
「待って下さい!その身体では無理です。ちゃんと寝ていなくては!」
必死に引き留めれば、お翠さんかキッと私を睨みつけた。
「煩いわね!私には女中補佐しかないのよ!!」
彼女は声を荒げて私の声を振り切るもその場に崩れ落ちてしまった。
「あ、しっかりして下さい!」
私は倒れ込む彼女を支えて、再びベットの中へと寝かせる。
「今はしっかり休んで下さい。熱もあるんです。その身体では駄目です」
「ッ~、アンタさえ居なけば。アンタさえここに来なければこんなことには!!」
「…お翠さん」
お翠さんはそう吐き捨てると顔を向こうへ背けてしまった。仕事に行くのを諦めてくれたのはいいが何とも気まずい空気にしてしまった。
果たしてこれはどうするのが正解なのだろう。
「あ、何か食べますか?病人とはいえ少しくらいは何かお腹にいれないと」
「いらないわよ!アンタなんかに物を恵んでもらう気はないわ」
「それだけ意識がハッキリしているなら安心です。何か持ってくるので待ってて下さいね」
「は?アンタ私の言うこと聞いて「じゃあ行って来ますね!ちゃんと寝てて下さいよ?」…」
私は無理矢理、彼女の言葉を遮ると自室を後にした。
解熱剤を貰って自室へと戻るとお翠さんがベットで寝ているのが確認できた。
「時雨様、どちらにいってらしたんですか⁈」
「いつもお世話になっている知り合いの方から解熱剤を貰ってきました」
お香さんはお翠さんの額に冷たいタオルを乗せる。
側まで行くと解熱剤を机上へと置く。
「知り合いの方?それは一体どなたなんですか?」
「あー…」
しまった。
あれから詳しい経由を話そうにもつい先延ばしにしてしまってた。日中に出歩いていることに疑問を抱かせてしまっているのも無理はない。
「…また今度、お翠さんが元気になった時に話しますね」
ーーコンコン!
「失礼致します。申し訳ございません時雨様。お香をお借りしても?」
ノック音と共に中に入ってきたのは使用人の方だった。
「私に用ですか?」
「今日は月に一度の代表者達による定例会議ですよ。まさか忘れていたの?」
「そうだった!あ、でも」
お香さんは困ったように行くのをためらう。
「大丈夫ですよ。後は私が引き継ぎますから」
「え、しかし」
「これぐらいは私、一人にでも出来ますから。なので構わず行って下さい」
「…分かりました。何か御座いましたら直ぐに他の者にお声掛け下さいね!」
絶対ですよとお香さんは何度も強く後押しすれば部屋を出ていった。
代表者達による定例会議か。
ん?ということはお香さんって結構、立場的には偉いってことでは??
「うぅ…」
「お翠さん!私の声が聞こえますか⁉」
呻き声を聞こえれば私は必死にお翠さんへ呼び掛けた。
彼女はそんな私の声に反応するかのようにして重い瞼をゆっくりと開けた。
朦朧とする意識の中、私の姿を視界に捉えると火照った顔で睨みつけてくる。
「な、なんで…。なんでアンタが居んのよ」
「お翠さん…良かった」
熱はあれどまともに話せている。
そんな姿に私はホッと一安心する。
「というか仕事に…。仕事に戻ら…ないと」
お翠さんはよろよろしながらベットから身を起こすと部屋を出ていこうとする。
慌てたのは私の方だ。
「待って下さい!その身体では無理です。ちゃんと寝ていなくては!」
必死に引き留めれば、お翠さんかキッと私を睨みつけた。
「煩いわね!私には女中補佐しかないのよ!!」
彼女は声を荒げて私の声を振り切るもその場に崩れ落ちてしまった。
「あ、しっかりして下さい!」
私は倒れ込む彼女を支えて、再びベットの中へと寝かせる。
「今はしっかり休んで下さい。熱もあるんです。その身体では駄目です」
「ッ~、アンタさえ居なけば。アンタさえここに来なければこんなことには!!」
「…お翠さん」
お翠さんはそう吐き捨てると顔を向こうへ背けてしまった。仕事に行くのを諦めてくれたのはいいが何とも気まずい空気にしてしまった。
果たしてこれはどうするのが正解なのだろう。
「あ、何か食べますか?病人とはいえ少しくらいは何かお腹にいれないと」
「いらないわよ!アンタなんかに物を恵んでもらう気はないわ」
「それだけ意識がハッキリしているなら安心です。何か持ってくるので待ってて下さいね」
「は?アンタ私の言うこと聞いて「じゃあ行って来ますね!ちゃんと寝てて下さいよ?」…」
私は無理矢理、彼女の言葉を遮ると自室を後にした。